火葬のみで済ませたい…直葬を選ぶ人が増えている理由とリスク

山田泰平

山田泰平

テーマ:葬儀の知識

皆様、こんにちは。
株式会社大阪セレモニー代表の山田泰平です。

「儀式はいいから、火葬だけで静かに送ってあげたい」

「費用をできるだけ抑えたいので、一番シンプルな直葬(火葬式)を考えている」

近年、こうしたお考えから、通夜や告別式を行わず、火葬のみで故人様をお見送りする「直葬(ちょくそう)」または「火葬式」を選ぶ方が増えています。

しかし、その手軽さや費用の安さだけで安易に選んでしまうと、「こんなはずではなかった」と後悔したり、思わぬトラブルに発展したりするケースも少なくありません。

そこで今回は、「直葬(火葬式)を選ぶ前に知っておきたいこと」をテーマに、

  • 直葬(火葬式)の具体的な流れ
  • なぜ直葬を選ぶ人が増えているのか?そのメリット
  • 安易に選んではいけない!直葬に潜む大きなリスク
  • 後悔しないために、必ず確認すべきチェックポイント


などを、分かりやすく解説していきます。

【結論】直葬は「安さ」「手軽さ」が魅力だが、親族・菩提寺とのトラブルリスクも・・・。

直葬(火葬式)は、通夜や告別式を省略することで、葬儀費用を大幅に抑えられ、ご遺族の心身の負担も軽減できるという大きなメリットがあります。

しかしその一方で、儀式を重んじるご親族や、お付き合いのあるお寺(菩提寺)から理解を得られず、深刻なトラブルに発展するリスクを抱えています。

特に、菩提寺がある場合、直葬で済ませてしまうと、そのお墓への納骨を断られてしまう可能性があることは、必ず知っておかなければなりません。

また、お別れの時間が非常に短いため、「もっとちゃんとお別れをすればよかった」と、後からご遺族自身が深い後悔の念に苛まれることもあります。

「費用が安いから」という理由だけで決めるのではなく、これらのリスクを十分に理解し、ご家族や関係者としっかり話し合った上で、慎重に判断することが不可欠です。

1. 直葬(火葬式)とは?その具体的な流れ

直葬(火葬式)とは、通夜・告別式といった宗教的な儀式を一切行わず、ごく限られた近親者のみで火葬場へ向かい、火葬をもって故人様をお見送りする最もシンプルな葬儀形式です。

一般的な流れ:
STEP1:ご逝去・ご安置
病院などでお亡くなりになった後、ご遺体をご自宅や葬儀社の安置施設へ搬送し、安置します。
法律により、死後24時間は火葬することができません。


STEP2:納棺
ご遺体を清め、仏衣などを着せて棺に納めます。
ご家族に立ち会っていただき、お花や思い出の品を一緒に入れることもできます。


STEP3:出棺・火葬
安置場所から火葬場へ出棺し、火葬炉の前で最後のお別れをします。
この際に、僧侶に依頼して短い読経をあげてもらうことも可能です。


STEP4:収骨
火葬が終わった後、ご遺骨を骨壷に納めます。

2. なぜ選ばれる?直葬が増えている3つの理由(メリット)

直葬が選ばれる背景には、主に3つの理由があります。

理由①:経済的負担の大幅な軽減
通夜・告別式を行わないため、式場使用料や祭壇、返礼品、会食費用などが一切かかりません。
一般葬が100万円以上かかることもあるのに対し、直葬は20万円前後から執り行うことができ、費用を劇的に抑えられます。


理由②:遺族の心身の負担が少ない
葬儀の準備や、多くの弔問客への挨拶・対応に追われることがありません。
ご遺族が高齢であったり、遠方に住んでいたりする場合でも、心身の負担が少なく済みます。


理由③:価値観の多様化と社会背景の変化
「形式張った儀式は不要」「宗教にこだわりがない」といった価値観の変化や、核家族化・人間関係の希薄化により、大規模な葬儀を望まない方が増えていることも、直葬が選ばれる一因となっています。

3. 【要注意】直葬を選ぶ前に知るべき3大リスク

メリットの裏にある大きなリスクを理解することが、後悔しないための第一歩です。

リスク①:親族とのトラブル
「通夜も告別式もしないなんて、故人が可哀想だ」「親戚として、きちんとお別れの場を持ってほしかった」など、儀式を重んじるご親族から猛反対を受ける可能性があります。
事前に相談なく直葬を進めると、後々まで続く深刻な亀裂を生むことになりかねません。


リスク②:菩提寺とのトラブル(納骨拒否)
お付き合いのあるお寺(菩提寺)がある場合、これが最大のリスクとなります。
お寺によっては、その宗派の教えに則った通夜・告別式を執り行うことを、お墓に納骨する条件としている場合があります。
事前に相談せず直葬にした結果、お墓に入れてもらえないという最悪のケースも実際に起きています。


リスク③:お別れ不足による後悔
火葬場での最後のお別れは、ほんの10分程度です。
儀式という区切りがないため、故人の死を実感する間もなく、あっという間に終わってしまいます。
「本当にこれでよかったのか」「十分に供養してあげられなかった」という罪悪感や空虚感が、後からご遺族の心を苦しめることがあります。

【まとめ】後悔しない選択のために。安易に決めず、まず相談を

直葬は、様々な事情を抱えるご遺族にとって、有効な選択肢の一つであることは間違いありません。

しかし、その選択が、故人様とご遺族にとって本当に最良のものとなるかどうかは、慎重な検討が必要です。

では、本日のポイントをまとめます。

  • 直葬は、儀式を省略し火葬のみを行う、最もシンプルで費用を抑えられる葬儀形式。
  • メリットは「経済的負担の軽減」「遺族の負担減」だが、デメリットも大きい。
  • 最大のリスクは「親族からの反対」と「菩提寺からの納骨拒-否」。関係者への事前相談は必須。
  • お別れの時間が極端に短いため、「もっと供養してあげたかった」という後悔が残る可能性がある。
  • 「なぜ直葬を選ぶのか」を家族・親族間で共有し、全員が納得した上で決めることが、トラブル回避の鍵。


故人様とのお別れの形は、一つではありません。
「費用を抑えたいけれど、お別れはしっかりしたい」という場合には、一日葬という選択肢もあります。

どんな形が最適か、ご自身たちだけで判断せず、まずは私たちのような葬儀のプロにご相談ください。

それぞれのメリット・デメリットを丁寧にご説明し、皆様が心から納得できるお見送りの形を、一緒に見つけさせていただきます。

株式会社大阪セレモニー

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山田泰平
専門家

山田泰平(葬儀)

株式会社大阪セレモニー

当社は家族葬を専門に、これまで1000件以上の葬儀をお手伝いさせて頂きました。少人数だからこそ実現できるきめ細やかなサービスと、ご遺族様の想いに寄り添った丁寧な対応を心がけています。

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