人が亡くなった後にかかる費用は総額いくら?葬儀・お墓・相続の全内訳をプロが解説
皆様、こんにちは。
株式会社大阪セレモニー代表の山田泰平です。
「家族葬と密葬って、同じじゃないの?」
「直葬(火葬式)という言葉を聞くけど、具体的にどんなお葬式?」
近年、葬儀の形は多様化しており、特に小規模な葬儀について、これらの違いが分からず混乱してしまう、というお声をよくお聞きします。
一見似ているように見えますが、実は目的や内容が全く異なるため、安易に選んでしまうと後でトラブルになる可能性もあります。
そこで今回は、「家族葬・密葬・直葬の違い」をテーマに、
- それぞれの葬儀形式の目的と流れ
- 費用相場の比較
- メリット・デメリットと選ぶ際の注意点
- 後悔しないための選び方のポイント
などを、図解も交えながら分かりやすく解説していきます。
【結論】最大の違いは「本葬の有無」と「儀式の有無」。故人と遺族の意向に沿った形式を選ぶことが重要
「家族葬」「密葬」「直葬(火葬式)」の3つは、全く異なる目的を持つお葬式です。
家族葬:
ご家族やごく親しい方々だけで、通夜・告別式を行い、そこで葬儀を完結させる形式です。
密葬:
後日、会社の同僚や友人などを招いて「本葬」や「お別れ会」を行うことを前提として、まずは近親者だけで行う内々のお葬式です。
直葬(火葬式):
通夜・告別式といった儀式を一切行わず、火葬のみで故人様をお見送りする最もシンプルな形式です。
どの形式を選ぶかは、故人様の社会的立場や、ご遺族が「どのように故人を見送りたいか」という意向によって決まります。
それぞれの特徴とメリット・デメリットを正しく理解し、ご親族ともよく相談した上で、後悔のない形を選ぶことが何よりも大切です。
1. 一目でわかる!家族葬・密葬・直葬(火葬式)の違い
まずは、それぞれの特徴を比較表で見てみましょう。
| 項目 | 家族葬 | 密葬 | 直葬(火葬式) |
|---|---|---|---|
| 目的 | 家族中心で静かに見送る | 本葬の前に内々でお別れ | 儀式をせず火葬のみ行う |
| 通夜・告別式 | 行う | 基本的に行う | 行わない |
| 後日の本葬 | ない | ある(前提) | ない |
| 主な参列者 | 家族・親族・親しい友人 | 家族・ごく一部の親族 | 家族数名 |
| 費用相場 | 40万円~100万円 | 30万円~80万円 | 10万円~30万円 |
2. 【家族葬】とは? 家族・親族で完結するお葬式
現在、最も広く選ばれている小規模葬儀の形です。
目的:
周囲に気兼ねすることなく、ご家族や親しい方々だけで、ゆっくりと故人様とのお別れの時間を過ごすこと。
流れ:
基本的に一般葬と同じで、通夜・告別式・火葬といった一連の儀式を執り行います。
メリット:
- 参列者への対応に追われず、故人を偲ぶことに集中できる。
- 一般葬に比べて費用を抑えられる。
デメリット:
- 後から訃報を知った方々が、自宅へ弔問に訪れる可能性があり、その対応が必要になる。
- 参列者をどこまで呼ぶかで、親族間で意見が分かれることがある。
3. 【密葬】とは? 「本葬」を前提とした内々のお葬式
著名人や企業の経営者などが亡くなられた際に、よく用いられる形式です。
目的:
会社の関係者や多くの友人を招く「本葬(社葬やお別れ会)」の準備に時間がかかるため、その前に、まずはごく近親者だけで落ち着いて火葬までを済ませること。
流れ:
近親者のみで通夜と最低限のお別れを行い、火葬します。
後日、改めて多くの方を招いて「本葬」として告別式やお別れ会を開きます。
メリット:
- まずは家族だけで、静かにお別れに集中できる。
- 社会的なお別れの場(本葬)の準備を、時間をかけて周到に行える。
デメリット:
- 葬儀を二段階で行うため、トータルの費用や手間は、一般葬よりも大きくなることが多い。
4. 【直葬(火葬式)】とは? 儀式を省略した最もシンプルな形
費用や時間をかけずに、最低限のお見送りをしたい場合に選ばれます。
目的:
宗教的な儀式を省略し、ごく限られたご家族だけで火葬にてお見送りすること。
流れ:
ご逝去後、ご遺体を安置場所(自宅や安置施設)へ搬送し、法律で定められた24時間以上が経過した後に、火葬場へ移動し、火葬・収骨を行います。
火葬炉の前で、簡単なお別れや僧侶による読経を行うことも可能です。
メリット:
- 葬儀費用を大幅に抑えることができる。
- ご遺族の身体的・精神的な負担や、拘束時間が最も少ない。
デメリット:
- お別れの時間が非常に短く、「十分に供養できなかった」と後悔する方もいる。
- 親族や、お付き合いのある菩提寺(お寺)から理解を得られず、トラブルになることがある。(※特に納骨を断られるケースに注意が必要です)
【まとめ】故人と遺族の想いを第一に。トラブル防止には事前相談が不可欠
それぞれの葬儀形式には、一長一短があります。どの形が最適かは、ご家庭の状況によって全く異なります。
では、本日のポイントをまとめます。
- 「家族葬」は、近親者だけで儀式を行い、葬儀を完結させる形。
- 「密葬」は、後日の「本葬」を前提とした、近親者だけの事前のお葬式。
- 「直葬(火葬式)」は、通夜・告別式を行わない、火葬のみの最もシンプルな形。
- 特に「直葬」を選ぶ際は、親族や菩-提寺の理解を得られるか、事前に必ず確認することがトラブル回避の鍵。
- どの形式が良いか迷ったら、まずは葬儀社に相談し、それぞれのメリット・デメリットを詳しく聞いた上で、ご家族で話し合って決めることが大切。
故人様をどのように送りたいか、残されたご家族がどのようなお別れを望むか。そのお気持ちに寄り添い、最適な形をご提案するのが、私たち葬儀社の役割です。
どんな些細な疑問でも、どうぞお気軽にご相談ください。
株式会社大阪セレモニー



