もしも葬儀社で働いたら…? 業界用語・隠語をこっそり教えます!
皆様、こんにちは。
株式会社大阪セレモニー代表の山田泰平です。
葬儀の打ち合わせを進める際、多くの葬儀社から「〇〇プラン」といった形で、必要な物品やサービスがひとまとめになった「セットプラン」を提案されることと思います。
一見すると、料金が分かりやすく、何が含まれているのか把握しやすいので、安心感がありますよね。
しかし、そのプラン内容をよく見てみると、
「この祭壇の飾り、私たちには少し派手すぎるかな…」
「湯灌(ゆかん)のサービスは含まれているけど、必要ないかもしれない…」
「会葬礼状は、参列者も少ないし、自分たちで用意したいんだけど…」
といったように、ご自身たちの希望とは少し違う、あるいは不要と感じる項目が含まれていることもあるでしょう。
そこで、葬儀社の担当者に「この〇〇は不要なので、外してもらえませんか?その分、料金は安くなりますよね?」と尋ねたところ…
「申し訳ありません、こちらはセットプランですので、特定の項目を外しても料金は変わりません」と返答をされてしまい、もやもやした気持ちを抱えてしまうご遺族は、実は少なくありません。
そこで今回は、この「葬儀のセットプランと料金」という、費用に直結する問題について、
- なぜ「外しても安くならない」と言われるのか?(その仕組みと理由)
- 本当に安くならないのか? 交渉の余地はないのか?
- そのような場合に、ご遺族として取るべき賢い対応
- 後悔しないための、セットプランの見極め方と葬儀社選びのポイント
- 誠実な葬儀社の対応とは
などを、分かりやすく解説していきます。
【結論】セットプランの項目削除による値引きは基本困難。不要な項目が多いならプラン変更か葬儀社の見直しを
葬儀社から「セットプランに含まれる特定の項目を外しても、料金は変わりません」と言われた場合、それは多くの場合、その葬儀社の料金体系上、事実である可能性が高いです。
これは、セットプランが、個別のサービスを積み上げて計算するのではなく、あらかじめパッケージ化することで、全体として割引価格を設定している、という建前や仕組みに基づいているためです。
しかし、だからといって、納得できないままそのプランを受け入れる必要は全くありません。
ご遺族として取るべき対応は、
①まず、なぜ安くならないのか、その理由を丁寧に確認する。
②その上で、不要な項目があることを明確に伝え、”値引き”ではなく、よりシンプルな、自分たちの希望に近い別のプラン(または個別に項目を組み合わせる積算方式)に変更できないか?という方向で交渉する。
③もし、不要な項目が多く、かつ柔軟なプラン変更にも応じてもらえないようであれば、その葬儀社との契約自体を考え直し、他の葬儀社にも相談してみることが、最も賢明な選択と言えます。
「セットプランだから変えられない」という言葉を鵜呑みにせず、ご自身の希望をしっかりと伝え、誠実に対応してくれる葬儀社を選ぶことが、後悔しない葬儀への第一歩です。
1. なぜ「外しても安くならない」と言われるのか? その仕組みと理由
葬儀社が「項目を外しても安くならない」と説明する主な理由は、以下の通りです。
パッケージ価格としての設定:
セットプランは、レストランのコース料理のようなものです。
特定の料理(例えばデザート)を食べなくても、コース料金が変わらないのと同じように、個々のサービスを単品で積み上げるのではなく、「この内容でこの価格」というパッケージとして提供されています。
仕入れ・在庫管理の効率化:
プラン内容を規格化することで、葬儀社は祭壇や棺などの物品をまとめて仕入れたり、在庫を効率的に管理したりできます。
その効率化によって、全体として割安な価格設定が可能になっている、という理屈です。
利益構造上の問題:
プランの中には、利益率の高い項目と低い項目が混在しています。
ご遺族が不要と感じる項目が、葬儀社にとって利益の大きい項目であった場合、それを外してしまうと、全体の利益が確保できなくなるため、値引きに応じにくい、という側面もあります。
人件費・固定費の存在:
プラン料金には、物品だけでなく、打ち合わせや設営、当日の運営といった、目に見えない人件費や固定費も含まれています。
特定の物品を一つ減らしても、これらの固定的な費用は変わらない、という考え方です。
2. 交渉の余地はないのか?「値引き」から「プラン変更」への発想転換
「安くならない」と言われても、すぐに諦める必要はありません。
交渉の仕方を変えてみましょう。
「値引き」ではなく「プランの最適化」を求める:
「この項目を外して値引きしてください」という直接的な要求ではなく、「私たちの希望としては、〇〇や△△は不要なのですが、もう少し内容がシンプルで、予算に合ったプランはありませんか?」と相談してみましょう。
あるいは、「このプランをベースに、不要な〇〇を外して、代わりに□□の費用に充当する、といったような調整は可能でしょうか?」と、柔軟な対応を求めます。
積算方式への変更を打診する:
「セットプランではなく、必要なものだけを一つひとつ選んで、個別に費用を計算していただくことはできますか?」と尋ねてみるのも一つの方法です。
ただし、積算方式にすると、単品価格の合計となるため、結果的にセットプランより割高になってしまう可能性もあります。その場合は、両方の見積もりを比較検討する必要があります。
誠実な葬儀社なら:
誠実な葬儀社であれば、ご遺族の希望や予算を無視して「このプランしかありません」と一点張りするようなことはありません。
代替案を提示したり、どうすれば希望に近づけられるかを一緒に考えてくれたりするはずです。
3. 不要な項目が多い場合の賢明な判断
もし、提案されたセットプランに、不要と感じる項目があまりにも多い場合や、プラン変更の相談にも柔軟に応じてもらえない場合は、
その葬儀社のプランが、ご自身の希望と合っていない可能性が高いため、無理にそのプランに合わせる必要はありません。
「少し考えさせてください」と一旦打ち合わせを中断し、他の葬儀社にも話を聞きに行きましょう。
複数の葬儀社から話を聞き、プラン内容と見積もりを比較することで、ご自身たちの希望に最も近い、そして納得のいくサービスを提供してくれる葬儀社を見つけることができます。
4. 後悔しないための、セットプランの見極め方
葬儀のセットプランを検討する際には、以下の点に注意しましょう。
「一式」の内容を徹底的に確認する:
「葬儀一式」「運営費一式」といった項目に、具体的に何が含まれているのか、リストアップしてもらいましょう。
追加料金の可能性を確認する:
プラン料金以外に、どのような場合に追加料金が発生するのか(例えば、安置日数の超過、車両の規定距離超過、飲食・返礼品など)を、必ず事前に確認します。
プランの自由度・柔軟性を確認する:
「もし、この祭壇を別のものに変えたい場合はどうなりますか?」など、プラン内容の変更にどの程度柔軟に対応してもらえるかを確認しておきましょう。
価格の安さだけで選ばない:
格安のセットプランには、必要最低限のものしか含まれておらず、結果的に多くの追加費用が発生し、総額では高くなってしまうケースも少なくありません。
5. 葬儀社選びの重要性:お客様の想いに寄り添う姿勢
結局のところ、この問題は「信頼できる葬儀社を選べるかどうか」という点に行き着きます。
親身なヒアリング:
ご遺族の希望や故人のお人柄、予算などを丁寧にヒアリングしてくれるか。
柔軟な提案力:
固定のプランを押し付けるのではなく、ご遺族の希望に合わせて、様々な選択肢や代替案を提示してくれるか。
透明性の高い料金説明:
何にいくらかかるのか、なぜこの費用が必要なのかを、分かりやすく、誠実に説明してくれるか。
「セットプランなので変えられません」という一言で話を終えてしまうような葬儀社は、お客様の想いよりも、自社の都合を優先している可能性があると考えるべきかもしれません。
【まとめ】セットプランはあくまで選択肢の一つ。不要な項目には「NO」と言える勇気を
葬儀のセットプランは、料金が分かりやすく、手軽であるというメリットがある一方で、不要なものが含まれていても安くならない、というデメリットも持ち合わせています。
故人様とのお別れの形は、一つではありません。葬儀社が用意したパッケージに、無理やり自分たちを合わせる必要はないのです。
本当に納得のいくお見送りをするためには、故人やご遺族の想いを一番に考えるべきだと、私は思います。
では、本日のポイントをまとめます。
- セットプランの項目を外しても安くならないのは、パッケージ料金という仕組み上の理由があることが多い。
- 直接的な「値引き交渉」よりも、”よりシンプルなプランへの変更”や”内容の調整”を相談するのが有効。
- 不要な項目が多い、あるいはプラン変更に柔軟でない場合は、その葬儀社との契約を再検討する。
- 価格の安さだけでなく、プランの”内容と柔軟性、追加料金の有無”をしっかり確認する。
- 最も重要なのは、ご遺族の希望に親身に寄り添い、柔軟な提案をしてくれる、信頼できる葬儀社を選ぶこと。
「セットプランなのでできません」と言われた時に、「そうですか」と引き下がるのではなく、「では、どうすれば私たちの希望に近づけられますか?」と、一歩踏み込んで相談してみる勇気が、後悔のない、そしてご自身たちが心から納得できるお葬式に繋がります。
私たち株式会社大阪セレモニーでは、お客様のご希望やご予算を第一に考え、決まりきったプランを押し付けるのではなく、お一人おひとりの想いを形にするためのお手伝いをさせていただきたいと考えております。
費用に関するご相談や、プラン内容の調整など、どんな些細なことでも、どうぞご遠慮なくお申し付けください。
株式会社大阪セレモニー



