親の年金がストップしない!?死亡後の手続き漏れで起きた悲劇とは?
皆様、こんにちは。
株式会社大阪セレモニー代表の山田泰平です。
ご家族がお亡くなりになり、火葬を終えてご遺骨がお手元に戻ってくると、多くの方が次に考えるのが「納骨」のこと、そしてその納骨場所としての「お墓」のことではないでしょうか。
ご先祖様から受け継いできたお墓があればそこに納骨できますが、新しくお墓を建てる必要がある場合、その費用は決して安いものではありません。
お墓は故人を偲び、供養するための大切な場所であり、また、残された家族の心の拠り所ともなります。
しかし、その建立には、永代使用料、墓石代、工事費など、様々な費用がかかり、総額で百万円単位になることも珍しくありません。
経済的な理由から、お墓を建てることを諦めてしまったり、あるいは無理をして高額なローンを組んでしまったりするケースも耳にします。
そこで今回は、この「お墓を建てたいけれど費用がない場合の対処法」について、
- お墓建立にかかる費用の内訳と相場(再確認)
- 費用がない場合に考えられる選択肢(ローン、時期をずらす、代替の供養方法など)
- 費用を抑えてお墓を建てるための工夫
- お寺に費用について相談する際のポイントと注意点
- 必ずしもお墓を建てることだけが供養ではない、という考え方
などを、分かりやすく解説していきます。
【結論】お墓建立費用が厳しい場合、ローンや時期の調整、代替供養も選択肢。お寺への正直な相談が大切
お墓を建てたいというお気持ちは非常に尊いものですが、そのために現在の生活や将来を圧迫するほどの無理な費用負担をすることは、決して故人様も望んでいないはずです。
経済的に費用を一括で用意するのが難しい場合でも、お墓を持つことを諦める必要はありません。
いくつかの現実的な選択肢があります。
墓石ローン・メモリアルローンを利用する:石材店や金融機関が提供しているローンを利用して、分割で支払う方法です。
お墓を建てる時期をずらす:すぐに建てるのではなく、数年かけて費用を準備し、一周忌や三回忌などの節目に合わせて建立する。それまではご遺骨を手元供養したり、一時的に納骨堂に預けたりします。
費用を抑えたお墓を選ぶ:墓石の素材やデザイン、区画の広さなどを見直すことで、費用を抑えることができます。
お墓以外の供養方法を検討する:永代供養墓、納骨堂、樹木葬、散骨など、近年は比較的費用を抑えられる多様な供養の形があります。
そして、もし菩提寺(お付き合いのあるお寺)があり、そのお寺の墓地にお墓を建てたいと考えているのであれば、費用のことについても、正直にお寺の住職に相談することが非常に重要です。
お寺によっては、分割払いに応じてくれたり、費用を抑えた区画を紹介してくれたり、あるいは他の供養方法について一緒に考えてくれたりする場合もあります。
1. なぜお墓の建立費用は高額になりやすいのか?(内訳の再確認)
お墓を新しく建てる費用が、なぜ高額になりやすいのか、その主な内訳を再確認しておきましょう。
永代使用料:お墓を建てるための土地(墓所区画)を使用する権利の費用。立地や広さで大きく変動。
墓石代:石の種類、使用量、デザイン、加工費など。これも価格帯が非常に広い。
墓石工事費用:基礎工事、据付工事、文字彫刻、外柵設置など。
年間管理料(初年度分):墓地全体の維持管理のための費用(翌年以降も毎年発生)。
これらの合計が、総費用となります。特に永代使用料と墓石代が大きな割合を占めます。
2. 費用がない場合に考えられる選択肢:無理をしないことが大前提
①墓石ローン・メモリアルローンの利用:
石材店や、提携している信販会社、あるいは銀行などが提供している、お墓建立専用のローンです。
メリット:まとまった資金がなくても、すぐにお墓を建てられる。月々の分割払いで負担を平準化できる。
デメリット:金利が発生するため、総支払額は一括払いより高くなる。審査がある。
注意点:金利や返済期間、総支払額をしっかり確認し、無理のない返済計画を立てることが重要です。複数のローンを比較検討しましょう。
②お墓を建てる時期をずらし、費用を準備する:
必ずしも葬儀後すぐに、あるいは四十九日や一周忌までに建てなければならない、という決まりはありません。
数年間、目標額を決めて積立貯蓄をするなどして、資金が準備できたタイミングで建立する、という考え方です。
その間、ご遺骨は自宅で手元供養する、あるいは一時的に納骨堂に預かってもらう(年間数万円程度の費用がかかることが多い)などの方法があります。
③費用を抑えたお墓を選ぶ
④お墓以外の供養方法を検討する:
永代供養墓:寺院や霊園が永代にわたり管理・供養してくれる合祀タイプのお墓。初期費用を抑えられ、後の管理費もかからないことが多い。
納骨堂:屋内型の納骨施設。様々なタイプがあり、費用も比較的安価なものからある。
樹木葬:墓石の代わりに樹木を墓標とする。自然志向の方に人気で、費用も抑えやすい。
これらは、お墓を建てるよりも費用を大幅に抑えられる可能性があります。
3. 費用を抑えてお墓を建てるための工夫
どうしてもお墓を建てたいけれど、予算に限りがある、という場合に、費用を抑えるための具体的な工夫です。
墓所の区画を小さめにする:区画が小さければ、永代使用料も安くなり、必要な石材の量も減るため、墓石代や工事費も抑えられます。
墓石の石材の種類を見直す:国産の高級な石材にこだわらず、品質の良い外国産の石材や、比較的安価な種類の石材(白御影石など)を選ぶ。ただし、耐久性なども考慮し、石材店とよく相談しましょう。
墓石のデザインをシンプルにする:凝ったデザインや複雑な彫刻は費用がかさみます。シンプルで飽きのこないデザインを選ぶ。
外柵(墓所の囲い)を簡素にする、あるいは設けない:外柵も費用に大きく影響します。必要最低限のものにするか、墓地の規定によっては設けなくても良い場合もあります。
複数の石材店から相見積もりを取る:同じような条件でも、石材店によって見積もり金額は大きく異なることがあります。必ず2~3社以上から見積もりを取り、内容と価格を比較検討しましょう。
公営墓地を検討する:もし申し込み資格があり、抽選に通れば、民営霊園よりも永代使用料や管理費を大幅に抑えられる可能性があります。
4. お寺に費用について相談する際のポイントと注意点
菩提寺の墓地にお墓を建てたいけれど、費用面で不安がある、という場合は、正直に住職に相談してみることが大切です。
相談のタイミング:お墓建立の意思を伝える最初の段階で、費用についても率直に相談しましょう。
伝え方:「お墓を建てさせていただきたいのですが、正直なところ、経済的にあまり余裕がございません。何か、費用を抑えられるような方法はございますでしょうか」「分割でのお支払いなどは、ご相談させていただけますでしょうか」など、丁寧な言葉遣いで、困っている状況を正直に伝えます。
お寺側の対応(期待できること):
- 費用を抑えた区画を紹介してくれる。
- 墓石の建立について、指定の石材店だけでなく、他の石材店の利用を認めてくれる(費用比較が可能になる)。
- 永代使用料や、その他のお布施などについて、分割払いや支払い時期の相談に応じてくれる。
- お墓以外の供養方法(永代供養墓など)を提案してくれる。
注意点:
お布施や冥加金(みょうがきん:お寺への寄付)など、お墓建立に伴い、墓石代以外にもお寺へ納める費用が発生することがあります。その内容と金額も、事前にしっかり確認しましょう。
相談しにくいからといって、費用について何も言わずに話を進めてしまうと、後で支払いに困ることになりかねません。
5. 必ずしもお墓を建てることだけが供養ではない
お墓を建てることは、故人を供養するための素晴らしい方法の一つですが、それが唯一の方法ではありません。
経済的な事情や、家族構成、ライフスタイルなどから、お墓を持つことが難しい、あるいは負担に感じるのであれば、無理にお墓を建てる必要はないのです。
大切なのは、故人を偲び、感謝する気持ちを持ち続けること。
手元供養、永代供養墓、納骨堂、樹木葬、散骨など、現代には様々な供養の形があります。
それぞれのメリット・デメリットを理解し、ご自身やご家族が、心から納得でき、安らかに故人を想うことができる方法を選ぶことが、何よりも大切です。
6. 費用の準備は計画的に
もし、将来的に自分や家族のお墓を建てたいと考えているのであれば、元気なうちから、少しずつでも費用を準備しておくことをお勧めします。
積立貯蓄:お墓建立のための専用口座を作って、毎月一定額を積み立てる。
保険の活用:生命保険の死亡保険金の一部を、お墓の費用に充てることを考えておく。
生前契約:石材店によっては、お墓の生前契約(寿陵)を受け付けているところもあります。費用を確定させ、分割で支払える場合もあります。
【まとめ】お墓建立の費用、無理せず、正直な相談と多様な選択肢の検討を
お墓を建てたいというお気持ちは尊いものですが、その費用が現在の生活や将来を圧迫するようでは、故人様も安心できないでしょう。
では、本日のポイントです。
・お墓建立には高額な費用がかかることを認識する。
・費用がない場合でも、ローン、時期の調整、費用を抑えたお墓、代替の供養方法など、様々な選択肢がある。
・菩提寺には、費用のことも含めて正直に相談する。
・最も大切なのは、故人を敬い、心を込めて供養する気持ち。
・無理のない範囲で、自分たちに合った供養の形を見つける。
経済的な理由だけで、故人への想いを諦める必要はありません。
様々な方法を検討し、専門家や関係者とよく相談しながら、あなたとご家族にとって、そして故人様にとっても、心安らぐ最善の道を見つけていただきたいと思います。
株式会社大阪セレモニー



