葬儀見積りの最大の罠!「飲食接待費」で費用が倍増するカラクリと全知識
皆様、こんにちは。
株式会社大阪セレモニー代表の山田泰平です。
お葬式を執り行うにあたって、多くの方が直面するのが「費用」の問題です。
以前のコラムでも触れましたが、葬儀の形式や規模によっては、まとまった金額が必要になることが少なくありません。
突然のことで、十分な現金の準備がない場合、
「こんな大金、すぐに用意できない…」
「支払いはどうすればいいんだろう?」
「もしかして、ローンを組んだり、分割で支払ったりすることはできるの?」
と、深い悲しみの中でさらにお金の心配まで重なり、途方に暮れてしまう方もいらっしゃるのではないでしょうか。
そこで今回は、葬儀費用の支払い方法、特に多くの方が疑問に思われる「ローンや分割払い」の可能性について、私たち葬儀のプロの視点から、詳しく、そして分かりやすく解説していきたいと思います。
【結論】葬儀費用は分割払いできるケースもある
まず、結論から申し上げますと、葬儀費用をローンや分割で支払うことは、場合によっては可能です。
近年、葬儀費用の支払いに対するニーズの多様化に応える形で、様々な支払い方法に対応する葬儀社が増えています。
具体的には、以下のような方法です。
クレジットカード払い(分割・リボ払い含む): 対応している葬儀社であれば利用可能です。
葬儀ローン(信販会社のローン): 多くの葬儀社が提携している信販会社のローンを利用する方法です。
葬儀社独自の分割払い: 対応している葬儀社は少ないですが、相談してみる価値はあります。
ただし、これらの支払い方法には、それぞれメリット・デメリット、そして利用するための条件や注意点があります。
全ての葬儀社が対応しているわけではありませんし、ローンには審査や金利が伴います。
クレジットカードも、利用限度額や手数料の問題がありますよね。
最も大切なのは、費用の支払いに不安がある場合、早い段階で葬儀社に正直に相談すること。
誠実な葬儀社であれば、お客様の状況に合わせて、利用可能な支払い方法を一緒に考え、提案してくれるはずです。
それでは、なぜローンや分割払いといった選択肢が出てきたのか、そしてそれぞれの支払い方法について、その根拠となる詳細や注意点を深く掘り下げていきましょう。
1. なぜ支払いが課題に? 葬儀費用の特徴
葬儀費用が支払いの課題となりやすい背景には、以下のような特徴があります。
比較的高額になりがち: 祭壇、棺、会場費、飲食費、返礼品など、様々な費用が積み重なり、数十万円~数百万円単位になることも珍しくありません。
予期せぬタイミングでの出費: 多くの場合、突然の出来事であり、事前に十分な資金を準備できていないケースがあります。
支払い時期が比較的早い: 葬儀終了後、数日~1週間以内など、比較的短期間での支払いを求められることが一般的です。
こうした特徴から、「すぐにまとまった現金を用意するのが難しい」という状況が生まれやすいのです。
2. 葬儀費用の主な支払い方法:メリット・デメリットを知る
葬儀費用の支払い方法として、どのような選択肢があるのか、それぞれのメリット・デメリットを見ていきましょう。
【基本】現金一括払い:
メリット:金利や手数料がかからない。最もシンプルで確実な方法。
デメリット:まとまった現金を短期間で用意する必要がある。手元資金が大きく減る。
クレジットカード払い:
メリット:手元に現金がなくても支払える。ポイントが貯まる場合がある。カード会社の分割払いやリボ払いを利用できる可能性がある。
デメリット:対応している葬儀社が限られる。利用限度額を超えてしまう可能性がある。分割・リボ払いには手数料や金利がかかる。一括払いのみ対応の葬儀社もある。
葬儀ローン(信販会社のローン):
仕組み: 葬儀社が提携している信販会社(ジャックス、オリコ、セディナなど)と契約を結び、葬儀費用を借り入れ、分割で返済していく方法です。葬儀社が窓口となって手続きを進めることが多いです。
メリット: まとまった現金がなくても、希望する内容の葬儀を行える。月々の返済額を抑え、計画的に支払うことができる。比較的審査が通りやすい傾向があるとも言われる(ただし保証はされない)。
デメリット: 必ず審査がある上に、金利(利息)が発生する。よって、総支払額は現金一括より多くなる。手続きに書類(本人確認書類、収入証明など)が必要で、多少時間がかかる。
利用の流れ(一例):
①葬儀社にローン利用希望を伝える。
②提携信販会社の申込書に記入・提出。
③信販会社による審査。
④審査承認後、ローン契約締結。
⑤信販会社から葬儀社へ費用支払い。
⑥利用者は信販会社へ分割返済開始。
葬儀社独自の分割払い:
メリット:金利がかからない、あるいは低金利の場合がある。審査が比較的緩やかな場合がある。
デメリット:対応している葬儀社が非常に少ない。対応していても、支払い回数や条件が限られることが多い。
相談してみる価値: もし対応していなくても、支払い時期の猶予など、何らかの配慮をしてもらえる可能性もゼロではありません。正直に状況を話してみることが大切です。
【番外編】その他の資金調達・支払い方法:
生命保険金(死亡保険金): 故人様が生命保険に加入しており、受取人が指定されていれば、その保険金を葬儀費用に充てることができます。ただし、保険金の請求から支払いまでには時間がかかる場合があるので、葬儀費用の支払い期限に間に合うか確認が必要です。葬儀社によっては、保険金請求の手続きをサポートしてくれたり、保険金が入るまで支払いを待ってくれたりする場合もあります。
故人の預貯金: 相続手続き(遺産分割協議など)が完了すれば、故人の預貯金から支払うことができますが、こちらも手続きに時間がかかるため、葬儀費用の支払いには間に合わないことが多いです。金融機関によっては、相続人全員の同意があれば、葬儀費用分のみ仮払いできる制度(上限あり)もあります。
公的扶助(葬祭扶助): 前回のコラムで解説した通り、生活保護受給者など、経済的に困窮している場合は、自治体から葬祭扶助を受けられる可能性があります。(ただし、行える葬儀内容は直葬に限られます)
親族からの借入れ: 可能であれば、親族に相談して一時的に借りる、という方法もあります。
3. ローンや分割払いを利用する際の重要注意点
もし、ローンや分割払いを利用する際には、以下の点に十分注意してください。
金利・手数料を必ず確認する: ローンやクレジットカードの分割・リボ払いには、必ず金利や手数料がかかります。年利何%なのか、総支払額はいくらになるのかを正確に把握しましょう。
無理のない返済計画を立てる: 月々の返済額が、ご自身の収入や生活状況に見合っているか、慎重に検討しましょう。長期にわたる返済になる場合もあります。
契約内容をしっかり理解する: ローン契約書やカード会社の規約などをよく読み、分からない点は納得いくまで確認しましょう。
安易に借りすぎない: ローンはあくまで「借金」です。本当に必要な金額か、他の方法はないか、よく考えてから利用しましょう。
複数の選択肢を比較する: もし複数のローンが利用可能なら、金利や条件を比較して、最も有利なものを選びましょう。
4. なぜ葬儀社への「正直な相談」が重要なのか
費用の支払いに不安がある場合、それを隠したり、無理をして一括で支払おうとしたりするのではなく、早い段階で葬儀社の担当者に正直に相談することが、実は最も重要です。
利用可能な支払い方法を教えてくれる: その葬儀社が対応している支払い方法(クレジット、ローン提携の有無など)を正確に教えてくれます。
手続きをサポートしてくれる: 葬儀ローンの申し込みや、生命保険金の請求手続きなどをサポートしてくれる場合があります。
支払い時期の相談に乗ってくれる可能性: 事情によっては、支払い期限を少し延ばすなどの配慮をしてくれる可能性もゼロではありません。
費用を抑える提案をしてくれる: 予算に限りがあることを伝えれば、その範囲内でできるだけ希望に沿うような、費用を抑えたプランニングを一緒に考えてくれるはずです。
まとめ
葬儀費用は高額になることがあり、その支払いに不安を感じる方は少なくありません。
しかし、現在ではクレジットカード払いや葬儀ローンなど、分割で支払うための選択肢も存在します。
ただし、これらの方法にはメリット・デメリットがあり、利用には条件や注意点が伴います。
特にローンは金利が発生し、総支払額が増えることも忘れてはいけません。
もし費用の支払いに不安を感じたら、一人で悩まず、利用可能な支払い方法を確認し、無理のない計画を立ててみてください。
株式会社大阪セレモニー



