【令和時代の選択】社葬・合同葬の基礎知識!費用負担からマナー、準備までをプロが解説

山田泰平

山田泰平

テーマ:葬儀の知識

皆様、こんにちは。
株式会社大阪セレモニー代表の山田泰平です。

今回は、個人の葬儀とは少し異なり、会社が主体となって執り行われる「社葬(しゃそう)」や「合同葬(ごうどうそう)」について、その基本的な知識を解説していきたいと思います。

会社の創業者や会長、社長、あるいは長年にわたり会社に多大な貢献をした役員や従業員が亡くなられた際に、「会社として、その功績を称え、追悼の意を表したい」という目的で行われるのが社葬や合同葬です。

これらは、単なるお悔やみの場であるだけでなく、会社の歴史や故人の功績を再確認し、社内外の関係者に感謝を伝え、そして会社の今後の結束を示す、といった社会的な意味合いも持っています。

しかし、一般的な個人葬とは、目的、費用負担、準備の進め方、そして参列マナーなど、多くの点で異なるため、将来的に自社で社葬を行う可能性のある、企業のご担当者様にとっても、知っておくべき知識は多いはずです。

今回は、この「社葬」と「合同葬」について、

  • それぞれの定義と目的の違い
  • 誰が費用を負担するのか?
  • 準備の進め方(葬儀委員長の選任など)
  • 参列する際のマナー(服装、香典、供花など)
  • 令和時代の社葬・合同葬の傾向

などを、分かりやすく解説していきます。

いざという時に慌てないため、また、失礼のない対応をするために、ぜひ参考にしてください。

社葬と合同葬、何が違うの? その定義と目的

まず、「社葬」と「合同葬」の違いを理解しておきましょう。

社葬:

定義: 会社が単独で施主(葬儀の主催者)となり、費用も全額負担して執り行われる葬儀・告別式、またはお別れ会。

目的: 故人の功績を称え、追悼するとともに、会社の代表として対外的に弔意を示す。会社の事業継続や結束を社内外に示す意味合いも強い。会社の福利厚生の一環として行われる場合もある。

対象者: 主に創業者、会長、社長、役員など、会社への貢献度が極めて高い人物。

時期: 密葬(近親者のみで行う葬儀)を先に行い、後日(1ヶ月~49日後くらい)に本葬として社葬を行うことが多い。



合同葬:

定義: 会社と遺族が共同で施主となり、費用も分担して執り行われる葬儀・告別式。

目的: 故人を追悼するという目的は社葬と同じだが、遺族の意向も尊重しつつ、会社としても弔意を示したい場合に行われる。遺族の費用負担や準備の負担を軽減する目的もある。

対象者: 社長や役員だけでなく、部長クラスの幹部社員や、業務中の事故で亡くなった社員など、社葬より対象範囲が広がる場合がある。

時期: 密葬を行わず、葬儀・告別式を一度で合同葬として行うケースが多い。


簡単に言うと、「会社が全て主催するのが社葬」「会社と遺族が一緒に主催するのが合同葬」と考えると分かりやすいでしょう。

どちらの形式を選ぶかは、故人の役職や貢献度、遺族の意向、会社の規定や慣習などを考慮して決定されます。

費用は誰が負担する? 気になるお金の話

費用負担は、社葬と合同葬で大きく異なります。


社葬の場合:

原則として、葬儀費用は全額、会社が負担します。

これは、社葬が会社の業務遂行上、必要な行為(福利厚生費や交際費など)として認められるため、税務上も損金として処理できる場合が多いからです。(ただし、社会通念上、相当と認められる範囲に限ります)

どこまでの費用を会社が負担するかは、社内規定などで定められていることが多いです。



合同葬の場合:

会社と遺族が共同で施主となるため、費用も分担します。

分担の割合や方法は、事前に会社と遺族の間で十分に協議し、合意しておく必要があります。

例えば、「葬儀の基本費用は会社が負担し、飲食費や返礼品は遺族が負担する」「総額を折半する」など、様々なケースが考えられます。


社葬・合同葬の準備、どう進める?

社葬や合同葬は、個人葬よりも規模が大きく、関係者も多岐にわたるため、準備には時間と周到さが必要です。

開催の決定と形式の選択: 取締役会などで、社葬(または合同葬)を行うかどうか、行う場合はどちらの形式にするかを正式に決定します。故人の役職、会社の規定、遺族の意向などを十分に考慮します。

遺族との協議(特に合同葬の場合): 合同葬の場合は、費用分担、葬儀の内容、役割分担などについて、遺族と綿密に協議し、合意を得ます。社葬の場合でも、遺族の意向を尊重する姿勢が大切です。

葬儀委員長の選任と葬儀委員会の設置: 社葬・合同葬を円滑に進めるため、葬儀委員長(通常は会社の代表者や役員)を任命し、各部門からメンバーを集めた葬儀委員会を設置して、準備・運営にあたります。葬儀委員会の役割は、日程・会場の決定、予算管理、関係各所への連絡、当日の運営など多岐にわたります。

葬儀社との打ち合わせ: 経験豊富な葬儀社を選び、葬儀委員会と連携して具体的な内容(会場、祭壇、式次第、案内状作成、当日の人員配置など)を詰めていきます。私たち株式会社大阪セレモニーでも、もちろん社葬・合同葬の実績がございます。

日程・会場の決定: 会社の都合(株主総会など)、遺族の意向、会場の空き状況などを考慮して、最適な日程と会場を決定します。大規模な社葬の場合は、ホテルや大きなホールが使われることもあります。

関係各所への案内: 取引先、株主、関係団体、社員、友人・知人など、参列をお願いする方々へ、案内状を送付します。案内状には、日時、場所、形式(社葬か合同葬か)、葬儀委員長名、喪主名(合同葬の場合)、香典・供花・供物の辞退の有無などを明記します。

当日の運営準備: 受付、案内、駐車場係、広報対応など、当日の役割分担を決め、リハーサルなどを行います。

参列する際のマナー:個人葬との違いは?

社葬や合同葬に参列する場合、基本的なマナーは個人葬と共通する部分が多いですが、いくつか注意したい点があります。

服装: 基本的に準喪服を着用します。男性はブラックスーツ、女性はブラックフォーマル。会社の代表として参列する場合は、より格式を意識しましょう。案内状に「平服で」と指定がある場合のみ、ダークスーツなど地味な服装を選びます。

香典: 会社や遺族から「香典辞退」の案内がある場合は、持参しないのがマナーです。特に社葬の場合は、経費で賄われるため辞退されるケースが多いです。もし辞退の案内がなく、持参する場合は、個人として出すのか、会社として出すのか(上司に確認)、誰宛てにするのか(葬儀委員長宛か喪主宛か)などを確認しましょう。合同葬で喪主(遺族)宛ての香典を受け付けている場合は、個人葬と同様の作法で持参します。

供花・供物: こちらも「供花供物の儀は固くご辞退申し上げます」といった案内があれば、送らないのがマナーです。送る場合は、送り主(会社名・役職・氏名など)と宛名(葬儀委員長宛か喪主宛か)を明確にし、葬儀社や会場の指定があるかを確認してから手配します。個人葬よりも大きな供花が並ぶことが多いです。

受付での記帳: 会社名、役職、氏名を正確に、丁寧に記帳します。名刺を差し出す場合は、「(弔)」「(弔意)」などと書いた名刺の右肩を少し折って渡すのが一般的です。

会場での振る舞い: 知り合いに会っても、大声で話したり、名刺交換を積極的に行ったりするのは控えましょう。あくまで故人を追悼する場であることを忘れずに、静粛に行動します。

代理で参列する場合: 上司などの代理で参列する場合は、受付で誰の代理であるかを明確に伝え、上司から預かった名刺などを提出します。

令和時代の社葬・合同葬の傾向

近年、社葬や合同葬のあり方も少しずつ変化しています。

規模の縮小・形式の多様化: 以前のような大規模な社葬だけでなく、関係者を限定した小規模な形や、「お別れ会」「偲ぶ会」といった、より自由な形式で行われるケースも増えています。

オンライン配信の活用: 遠方の関係者や、会場に来られない社員なども参加できるよう、式典の様子をオンラインで配信するケースも出てきています。

SDGsへの配慮: 環境負荷を低減するため、供花の代わりにデジタルサイネージを利用したり、返礼品にサステナブルな製品を選んだりする動きも見られます。


まとめ

社葬・合同葬は、故人への追悼という個人的な側面と、会社の社会的活動という側面を併せ持つ、特別な儀式。

その意義や目的、費用負担、準備のプロセス、そして参列マナーについて理解しておくことは、関係者としてあるいは参列者として、非常に重要です。

特に、会社のご担当者様にとっては、万が一の際にスムーズに対応できるよう、事前に社内規定を確認したり、信頼できる葬儀社と連携できる体制を整えておくことが望ましいでしょう。

また、参列される方は、案内状をよく確認し、故人様とご遺族、そして会社に対して失礼のないよう、マナーを守って弔意を表すことが大切です。


株式会社大阪セレモニー

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山田泰平
専門家

山田泰平(葬儀)

株式会社大阪セレモニー

当社は家族葬を専門に、これまで1000件以上の葬儀をお手伝いさせて頂きました。少人数だからこそ実現できるきめ細やかなサービスと、ご遺族様の想いに寄り添った丁寧な対応を心がけています。

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