永代供養の費用【2025年版】種類別メリット・デメリットと失敗しない選び方

山田泰平

山田泰平

テーマ:葬儀後のお話

皆様、こんにちは。
株式会社大阪セレモニー代表の山田泰平です。

前回は、伝統的な「お墓」の費用について詳しく解説しましたが、近年、お墓のあり方に対する考え方も多様化しています。

その中で、特に注目を集めているのが「永代供養(えいたいくよう)」という言葉です。

「子供がいないので、お墓を継いでくれる人がいない…」

「遠方に住んでいて、なかなかお墓参りに行けない…」

「子供たちに、お墓の管理で負担をかけたくない…」

「そもそも、お墓を建てるほどの費用はかけられない…」

このような悩みや考えをお持ちの方にとって、永代供養は非常に魅力的な選択肢に映るかもしれません。

しかし、「永代供養」と一口に言っても、その形態や費用は様々。

メリットだけでなく、デメリットや注意点もしっかり理解しておかないと、「こんなはずじゃなかった…」と後悔してしまう可能性もあります。

今回は、この「永代供養」について、

  • そもそも永代供養とは何か?(意外と誤解されやすい点)
  • 永代供養の種類とそれぞれの特徴
  • 【2025年版】として、種類別の費用相場
  • 永代供養のメリット・デメリット
  • 失敗しないための選び方のポイント

などを、最新の情報を踏まえながら、分かりやすく解説していきます。

「永代供養」とは? よくある誤解と正しい意味

まず、「永代供養」という言葉の意味を正しく理解しておきましょう。

よくある誤解として、「永代(えいたい)=永久に」供養してくれる、と思われがちですが、必ずしもそうではありません。

永代供養とは、お墓を管理・維持してくれる承継者がいない遺骨を、寺院や霊園がご遺族に代わって、永代(一定期間)にわたり供養・管理してくれるという仕組みのことです。

ポイントは「一定期間」という部分。

多くの永代供養では、個別に安置・供養される期間(例えば33回忌、50回忌など)が定められており、その期間が過ぎた後は、他の遺骨と一緒に合祀(ごうし:一つの場所にまとめて祀ること)されるのが一般的です。

つまり、「永代」とは言っても、「未来永劫、個別に供養され続ける」という意味ではないケースが多いのです。(永続的に管理される場合もありますが、契約内容の確認が必要です)

永代供養にはどんな種類がある? 主な4つのタイプ

永代供養には、遺骨の安置方法によっていくつかの種類があります。

主なタイプとそれぞれの特徴を見ていきましょう。

1.合祀墓(ごうしぼ)・合同墓(ごうどうぼ)

特徴: 最初からあるいは一定期間後に、他の人の遺骨と一緒に一つの大きなお墓(供養塔など)にまとめて埋葬(合祀)されるタイプです。個別の墓石はありません。

メリット: 永代供養の中では、費用が最も安価な場合が多い。管理の手間がほとんどかからない。

デメリット: 一度合祀されると、他の遺骨と混ざってしまうため、後から特定の故人の遺骨だけを取り出すことは不可能になります。個別にお参りする対象(墓石)がないため、寂しく感じる方もいるかもしれません。


2.集合墓(しゅうごうぼ)

特徴: 屋外に建てられた納骨壇や、いくつかの区画に分かれた集合型の墓石などに、個別のスペースで遺骨を安置するタイプです。マンションのようなイメージでしょうか。プレートなどで個人の名前を記すことができます。

メリット: 合祀墓よりは個別性が保たれる。比較的費用を抑えやすい。屋外にあるため、お墓参りの感覚に近い。

デメリット: 個別のスペースは限られていることが多い。一定期間後は合祀される場合が多い。


3.納骨堂(のうこつどう)

特徴: 建物の中に設けられた、遺骨を安置するための施設です。様々なタイプがあります。

ロッカー型: コインロッカーのような棚に、個別の骨壺を安置する。

仏壇型: 上段に仏壇、下段に納骨スペースがある。

自動搬送式(マンション型): 普段はバックヤードに保管され、お参り時にカードキーなどで呼び出すと、参拝ブースに遺骨が自動で運ばれてくる最新式。

メリット: 屋内にあるため、天候に左右されずお参りしやすい。交通の便が良い場所にあることが多い。セキュリティがしっかりしている。自動搬送式などはスペース効率が良い。

デメリット: 屋外のお墓とはお参りの感覚が異なる。タイプによっては費用が高額になることも。一定期間後は合祀される場合が多い。


4.樹木葬(じゅもくそう)

特徴: 墓石の代わりに、樹木(シンボルツリー)を墓標として、その周辺に遺骨を埋葬するタイプです。「自然に還りたい」という方に人気があります。

個別型: 一本の木に対して、一つの区画(個人または家族)が割り当てられる。

集合型: 大きなシンボルツリーの周りに、他の人と一緒に埋葬される。

里山型: 広大な里山の一部に、自然に近い形で埋葬される。

メリット: 自然志向の方に合う。比較的費用を抑えられる場合がある。宗教・宗派を問わないことが多い。

デメリット: 一度埋葬すると遺骨を取り出すのが難しい(特に合祀型)。場所によってはアクセスが不便な場合がある。樹木の管理が必要。年月が経つと、どの木の下か分からなくなる可能性も。

【2025年版】永代供養の費用相場(種類別目安)

永代供養の費用は、種類、立地、施設、個別安置期間などによって大きく異なります。

あくまで目安ですが、種類別の費用相場を見てみましょう。

合祀墓・合同墓: 3万円 ~ 30万円程度(最も安価)

集合墓: 20万円 ~ 60万円程度

納骨堂:

①ロッカー型:20万円 ~ 80万円程度

②仏壇型:50万円 ~ 150万円程度

③自動搬送式:80万円 ~ 150万円以上

樹木葬:

①合祀型:5万円 ~ 30万円程度

②個別型:30万円 ~ 80万円程度

③里山型:場所やプランによる差が大きい


【費用に含まれるもの・含まれないもの】

上記の費用には、一般的に永代供養料、納骨法要のお布施などが含まれることが多いです。

ただし、初期費用として別途「永代使用料」や「入檀料」、「銘板彫刻料」などが必要になる場合もあります。

また、年間管理費が別途かかるケース(特に個別安置期間中)と、初期費用に含まれていて追加費用が一切かからないケースもあります。

契約前に、費用総額とその内訳をしっかり確認することが極めて重要です。

永代供養のメリット・デメリット

永代供養を選ぶメリットとデメリットを整理しておきましょう。

【メリット】

承継者がいなくても安心: お墓を継ぐ人がいなくても、寺院や霊園が管理・供養してくれる。

管理の手間が少ない: お墓の掃除や草むしりなどの負担がない、または少ない。

費用を抑えられる場合がある: 一般的なお墓を新しく建てるより、初期費用を抑えられるケースが多い。

宗教・宗派不問の場合が多い: 特に民間霊園の永代供養墓や納骨堂、樹木葬などは、宗教を問わないことが多い。

交通の便が良い場所を選べる: 納骨堂などは駅近くなどアクセスしやすい場所に多い。


【デメリット】

一定期間後は合祀されることが多い: 個別に供養される期間には限りがある場合が多い。

一度合祀されると遺骨を取り出せない: 後で「やはり個別のお墓に移したい」と思っても不可能になる。

お墓参りの感覚が異なる: 特に納骨堂や合祀墓の場合、従来のお墓参りとは雰囲気が違うと感じる人もいる。

親族の理解が得られない場合がある: 「お墓は代々受け継ぐもの」という考えを持つ親族がいる場合、反対される可能性も。

費用が思ったよりかかる場合も: オプションを追加したり、都心の一等地を選んだりすると、費用が高額になることもある。年間管理費の有無も要確認。

失敗しない!永代供養の選び方【6つのチェックポイント】

後悔しない永代供養選びのために、以下の6つのポイントをチェックしましょう。

□ 供養・管理の方法と期間: どのような方法で供養され、個別安置の期間はいつまでか、その後どのように合祀されるのか、具体的に確認する。

□ 費用の総額と内訳、追加費用の有無: 初期費用、永代供養料、年間管理費、銘板彫刻料など、トータルでいくらかかるのか、追加費用は発生しないか、書面で明確にしてもらう。

□ 運営主体の信頼性: 寺院や霊園の経営状況は安定しているか、過去にトラブルなどはないか、見学時の対応などを通して確認する。

□ 現地を見学する: 必ず実際に足を運び、施設の雰囲気、清潔さ、管理状況、アクセス、周辺環境などを自分の目で確認する。お参りしやすい場所かどうかも重要。

□ 宗教・宗派の条件: 自分の家の宗教・宗派に合っているか、あるいは宗教不問かを確認する。

□ 家族・親族との話し合い: 事前に家族や親族とよく話し合い、理解と合意を得ておくことが、後のトラブルを防ぐために不可欠。

まとめ

永代供養は、現代社会のニーズに応える新しい供養の形として、ますます広がりを見せています。

承継者の心配がなく、管理の負担も少ないというメリットは大きいですが、一方で、費用や供養の方法、期間など、事前にしっかりと確認・理解しておくべき点も多く存在します。

「永代」という言葉のイメージだけで判断せず、

  • 様々な種類(合祀墓、集合墓、納骨堂、樹木葬など)の特徴を理解する。
  • 費用相場と内訳、追加費用の有無を確認する。
  • メリット・デメリットを比較検討する。
  • 必ず現地を見学し、運営主体や管理状況を確認する。
  • 家族・親族と十分に話し合う。

これらのポイントを踏まえ、ご自身やご家族にとって、本当に納得のいく、そして故人様が安らかに眠れる供養の形を選んでいただきたいと思います。

私たち株式会社大阪セレモニーでも、永代供養に関するご相談や、信頼できる寺院・霊園のご紹介なども可能ですので、お気軽にご相談ください。

株式会社大阪セレモニー

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山田泰平
専門家

山田泰平(葬儀)

株式会社大阪セレモニー

当社は家族葬を専門に、これまで1000件以上の葬儀をお手伝いさせて頂きました。少人数だからこそ実現できるきめ細やかなサービスと、ご遺族様の想いに寄り添った丁寧な対応を心がけています。

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