その行動、故人に失礼かも!? 参列者が気をつけたい葬儀マナー
皆様、こんにちは。
株式会社大阪セレモニー代表の山田泰平です。
突然の訃報を受け、お世話になった方や親しい方のお葬式に参列する。
そんな時、私たちは故人様を悼み、ご遺族にお悔やみの気持ちを伝えたい、という純粋な想いで会場へ向かいます。
しかし、慣れない場ということもあり、良かれと思って取った行動やうっかりした言動が、実はマナー違反になってしまっている…ということが、残念ながら起こり得ます。
悪気がないだけに、後から気づいて「しまった!」と後悔することもあるかもしれません。
今回は、お葬式に参列する立場で、知らず知らずのうちにやってしまいがちなマナー違反について、服装から言葉遣い、式中の振る舞いまで、具体的な例を挙げながら解説していきます。
ご遺族に失礼なく、心を込めて故人様をお見送りするために、ぜひ参考にしてくださいね。
1.服装のマナー違反:「平服で」の案内に要注意!
まず、服装に関するよくある誤解と注意点です。
× 案内の「平服」を普段着と勘違い: ご遺族から「平服でお越しください」と案内があった場合、これは「普段着で来てください」という意味ではありません。これは「地味な色合いの改まった服装で来てください」という意味合いです。具体的には、男性ならダークスーツ(濃紺やダークグレーなど)に地味なネクタイ、女性なら黒や紺、グレーなどのワンピースやアンサンブルスーツなどが該当します。間違っても、Tシャツにジーンズ、派手な色柄の服などで参列しないようにしましょう。
× 光るアクセサリーや小物: これは喪主・遺族編でも触れましたが、参列者も同様です。結婚指輪以外は基本的に外します。付ける場合でも、真珠の一連ネックレス(白か黒)程度に。光る時計、派手なカフスボタン、大きな飾りのついたヘアアクセサリーなども避けます。
× 殺生を連想させる素材: アニマル柄はもちろん、毛皮(フェイクファー含む)や、ワニ革・ヘビ革などの爬虫類系のバッグや靴も、殺生を連想させるため、お葬式の場にはふさわしくありません。
× カジュアルすぎる足元: サンダル、ミュール、スニーカー、ブーツなどはNGです。男性は黒の靴下に黒の革靴(光沢控えめ)、女性は黒のストッキングに黒のシンプルなパンプス(光沢なし、ヒールは高すぎないもの)が基本です。
2.お香典のマナー違反:渡し方にも心配りを
お香典に関するマナーは以前のコラムでも詳しく解説しましたが、特にやりがちな注意点をいくつか挙げます。
× 新札をそのまま包む: 新札は「不幸を予期して準備していた」と捉えられかねないため避けるのがマナーです。もし新札しかない場合は、一度折り目を付けてから入れましょう。逆に、あまりにもシワシワで汚れたお札も失礼にあたるので、適度な状態のお札を選びましょう。
× 金額の数字「4」と「9」: 「死」や「苦」を連想させるため、4千円、9千円、4万円といった金額は避けます。
× 表書きの使い分けミス: 仏式の場合、「御霊前」は多くの宗派で使えますが、浄土真宗では「御仏前」となります。宗派が不明な場合は「御香料」が無難です。神式なら「御玉串料」、キリスト教式なら「御花料」など、宗教に合わせた表書きを選びましょう。(分からなければ「御霊前」が無難ですが、事前に確認できるならそれがベストです)
× 香典袋を裸で持参: 香典袋は必ず袱紗(ふくさ)に包んで持参しましょう。弔事用の袱紗(紺、深緑、灰色、紫など)を使い、左開きになるように包みます。受付で袱紗から取り出して渡します。
3.受付でのマナー違反:短く、丁寧に
受付は、ご遺族の代理の方(親戚や会社関係の方など)が対応されていることが多いため、丁寧な対応を心がけてください。
× 長々としたお悔やみ: 受付は混み合うこともあります。お悔やみの言葉は「この度はご愁傷様です」「心よりお悔やみ申し上げます」など、短く簡潔に述べましょう。
× 乱雑な記帳: 芳名帳への記帳は、ご遺族が後で整理するための大切な記録です。読みやすい、丁寧な字で、氏名と住所(郵便番号から)をはっきりと書きましょう。代理で参列した場合は、誰の代理であるかも分かるように記します。
× 香典の向きが逆: 袱紗から取り出した香典袋は、相手(受付の方)から見て正面になる向きにして、両手で丁寧に差し出しましょう。
4.式中のマナー違反:静かに故人を偲ぶ場
通夜や葬儀・告別式の最中は、厳粛な雰囲気の中で故人様を偲ぶ時間です。
× 私語・ひそひそ話: 久々に会った知人と話したくなる気持ちも分かりますが、式中の私語は厳禁です。どうしても話す必要がある場合は、一旦会場の外に出てからにしましょう。
× スマートフォンの使用: マナーモードにするのは当然ですが、バイブレーションの音も意外と響きます。できれば電源を切っておくのが最も望ましいです。式中に着信音が鳴ったり、画面を操作したりするのは絶対にやめましょう。
× 勝手な途中退席: やむを得ない事情で途中退席する場合は、できるだけ目立たないように、後方の席から静かに退出しましょう。式の流れを妨げないよう配慮が必要です。入退室は、式の前後や、司会者の案内に従うのが基本です。
5.お焼香のマナー違反:作法よりも心を込めて
お焼香の作法は、宗派によって回数などが異なります。
× 周囲を気にしすぎる: 作法が分からず不安になるかもしれませんが、前の人のやり方を真似すれば、大きく間違うことはありません。回数などにこだわりすぎるよりも、故人の冥福を祈り、心を込めて行うことが最も大切です。
× 不慣れな動作で時間をかける: スムーズな進行のためにも、自分の順番が来たら、前の人に倣って落ち着いて行いましょう。あまりに時間をかけすぎると、後の方を待たせることになります。
× 数珠の貸し借り: 数珠は個人の持ち物であり、貸し借りはしないのがマナーとされています。持っていない場合は、無理に用意する必要はありませんが、持っている場合は持参しましょう。
6.言葉遣いのマナー違反:ご遺族への配慮を
ご遺族へお悔やみの言葉をかける際にも、注意が必要です。
× 忌み言葉の使用: 喪主・遺族編でも触れた「重ね言葉」「繰り返す言葉」「死を直接連想させる言葉」などは、参列者も使わないように気を付けましょう。
× 死因を詮索する: 「何が原因だったのですか?」など、死因を詳しく尋ねることは、ご遺族の悲しみを深める可能性があり、大変失礼にあたります。
× 「頑張って」「元気を出して」などの励まし: 励ましのつもりでも、深い悲しみの中にいるご遺族にとっては、かえって負担になることがあります。「お力落としのことと存じます」「何もお力になれませんが…」など、相手の気持ちに寄り添う言葉を選びましょう。
× 長話をする: ご遺族は、多くの弔問客に対応しなければならず、心身ともに疲弊しています。お悔やみの言葉は手短に伝え、長々と話し込むのは避けましょう。
まとめ:マナーとは相手への「思いやり」の形
今回は、お葬式に参列する際に、知らずにやってしまいがちなマナー違反について解説しました。
たくさんの注意点があり、少し堅苦しく感じられたかもしれません。
しかし、これらのマナーの根底にあるのは、「故人様への敬意」と「ご遺族への思いやり」です。
相手を気遣う気持ちがあれば、自然と行動にも表れてくるはず。
もし作法などで分からないことがあれば、決して恥ずかしがらずに、近くにいる葬儀社のスタッフにそっと尋ねてくださいね。
株式会社大阪セレモニー



