後悔しないお葬式のために。今すぐ始めるべき「葬儀の事前相談」
皆様、こんにちは。
株式会社大阪セレモニー代表の山田泰平です。
葬儀の打ち合わせを進めていると、基本となるセットプラン以外に、様々な「オプション」を提案されることがあります。
「祭壇をもう少し華やかにしませんか?」
「故人様のために、湯灌(ゆかん)はいかがでしょうか?」
「こちらのグレードの高いお棺もございますが。」
ご遺族としては、「故人様のためにできる限りのことをしてあげたい」というお気持ちがある一方で、費用面での心配も当然ありますよね。
「勧められるままに追加していったら、最初の見積もりから大幅に金額が上がってしまった…」
そんな経験談を耳にすることもあるでしょう。
葬儀におけるオプションは、故人様への想いを形にしたり、より良いお別れの場を演出したりするために有効な場合もあります。
しかし、その一方で、本当に必要なのかどうか、冷静に判断することも非常に重要です。
今回は、そんな葬儀の「オプション費用」について、どのようなものがあり、どうやってその必要性を見極めれば良いのか、具体的なポイントを詳しく解説していきたいと思います。
そもそも「オプション」とは?
まず、葬儀における「オプション」とは何か、基本的なところから確認しておきましょう。
簡単に言うと、葬儀の基本プラン(セットプラン)には含まれていない、追加で選択する物品やサービスのことです。
葬儀社によってプラン内容は異なりますが、一般的に以下のようなものがオプションとして扱われることが多いですね。
祭壇のグレードアップ: より大きな祭壇、生花を多く使った祭壇など。
棺の変更: 布張りの棺から彫刻入りの棺、材質の良い棺などへの変更。
遺影写真の加工・装飾: 背景の変更、額のグレードアップ、電飾付きなど。
湯灌(ゆかん)・エンバーミング: 故人様のお体を清めたり(湯灌)、長期保存や感染予防のための処置(エンバーミング)を施したりすること。
供花・供物: ご遺族や親族、会社関係などが用意するお花やお供え物。祭壇周りを飾るものなど。
料理・飲み物: 通夜振る舞いや精進落としの料理のグレードアップ、飲み物の種類や量。
返礼品(会葬御礼品・香典返し): 品物のグレードアップや種類変更。
寝台車・霊柩車の車種指定や装飾: 特定の車種を選んだり、特別な装飾を施したりする場合。
マイクロバスなどの送迎車両: 火葬場への移動などで必要となる場合。
式場の装飾・演出: メモリアルコーナーの設置、特別な照明、音楽演奏など。
記録用写真・ビデオ撮影: 葬儀の様子を記録に残すサービス。
このように、オプションの種類は多岐にわたります。
これらを追加していくことで、葬儀費用は当初のプラン料金から大きく変動する可能性があるわけです。
なぜオプションが必要になるのか?考えるべきこと
では、なぜこれらのオプションが提案されたり、必要になったりするのでしょうか?
これには、いくつかの理由が考えられます。
故人様の遺志や希望: 生前に「お花が好きだったから、たくさん飾ってほしい」「この音楽で見送ってほしい」といった希望があった場合。
ご遺族の希望: 「できるだけ立派な祭壇で見送りたい」「最後に体を綺麗にしてあげたい」というご遺族の想い。
見栄え・世間体: 親戚や参列者の目を気にして、「あまり質素すぎるのも…」と考えてしまう場合。
参列者へのおもてなし: 料理や返礼品で、感謝の気持ちをより丁寧に伝えたい場合。
宗教・地域の慣習: 特定の宗教的儀式や地域のしきたりで、必要な物品やサービスがある場合。
これらの理由からオプションを検討すること自体は、決して悪いことではありません。
大切なのは、そのオプションが「誰のため、何のため」に必要なのかを冷静に考えることです。
「本当に必要?」オプションを見極める7つのポイント
ここからは、提案されたオプションを「本当に必要か?」と見極めるための具体的なポイントを7つご紹介します。
打ち合わせの際に、ぜひこれらの視点で考えてみてください。
故人様の意思を尊重できていますか?
まず第一に考えるべきは、故人様の生前の希望です。
「派手なことは好まなかった」「質素でいいと言っていた」など、故人様のお人柄や考え方を尊重することが、何よりの供養になるのではないでしょうか。
もし、故人様の明確な遺志が分からない場合は、「故人だったらどう思うだろうか?」と想像してみるのも良いかもしれません。
家族・親族で十分に話し合いましたか?
葬儀は喪主様だけで決めるものではありません。
特に費用に関わることは、ご家族やご親族とよく相談することが大切です。
「自分はこうしたいけれど、他の家族はどう考えているだろう?」「予算は大丈夫だろうか?」など、皆で意見を出し合い、納得できる結論を見つけましょう。
葬儀社の説明を鵜呑みにしていませんか?
葬儀社のスタッフはプロですから、様々な提案をしてくれます。
しかし、その説明をそのまま受け入れるのではなく、「なぜ、このオプションが必要なのですか?」「これを追加すると、具体的にどう良くなるのですか?」「もし、これをやらなかった場合、どうなりますか?」と、具体的な理由や効果、費用対効果をしっかりと質問しましょう。
誠実な葬儀社であれば、きちんと答えてくれるはずです。
見栄や世間体を気にしすぎていませんか?
「親戚の手前、見劣りしないように…」「他の家と比べて恥ずかしくないように…」といった気持ちは、誰にでもあるかもしれません。
しかし、見栄のためだけに高額なオプションを追加するのは、本末転倒ではないでしょうか。
大切なのは、故人様を偲び、心を込めてお見送りすることです。
周囲の目を気にしすぎず、自分たちの身の丈に合った、心のこもったお見送りを考えることが重要です。
代替案は検討しましたか?
「これを追加しないと寂しくなる」と言われた場合でも、他の方法で補えるかもしれません。
例えば、「高価な祭壇は難しいけれど、故人が好きだった花をたくさん飾ってあげたい」といったように、費用を抑えつつ希望を叶える方法がないか、葬儀社に相談してみるのも良いでしょう。
柔軟な提案をしてくれる葬儀社を選びたいですね。
費用対効果は納得できますか?
そのオプションにかかる費用と、それによって得られる満足度や効果を天秤にかけてみましょう。
「この金額をかけるだけの価値が本当にあるだろうか?」と自問自答してみるのです。
ご予算には限りがありますから、優先順位をつけることも大切になります。
見積もり書で詳細を確認しましたか?
口頭での説明だけでなく、必ず見積もり書にオプション項目とその料金が明記されているかを確認しましょう。
少しでも不明な点があれば、その場で確認し、納得できるまで説明を求めることがトラブルを防ぐ鍵です。
特に注意したいオプション項目
オプションの中でも、特に費用が大きくなりやすい、あるいは判断に迷いやすい項目について、いくつか補足します。
祭壇・棺のグレードアップ: 見た目に大きく影響する部分ですが、価格帯も幅広いです。どこまでこだわるか、ご予算と相談しながら慎重に決めましょう。シンプルなものでも、お花などで工夫すれば十分に心のこもった空間は作れますよ。
湯灌・エンバーミング: 故人様のお体を清めたり、綺麗に保ったりするための処置ですが、必ずしも全ての方に必要なわけではありません。故人様の状態やご遺族の希望、費用などを考慮して判断しましょう。必要性について、葬儀社にしっかり説明を求めることが大切です。
料理・返礼品: 参列者の人数によって費用が大きく変動します。また、ランクによっても価格が大きく変わります。おもてなしの気持ちも大切ですが、無理のない範囲で選ぶようにしましょう。
葬儀社との上手なコミュニケーションが鍵
オプション費用で後悔しないためには、葬儀社との良好なコミュニケーションが欠かせません。
遠慮なく質問する: 分からないこと、不安なことは、どんな些細なことでも質問しましょう。
予算を正直に伝える: 「予算は〇〇円くらいで考えています」と正直に伝えることで、葬儀社もその範囲内で最適な提案をしやすくなります。
見積もりを詳細に確認する: 提示された見積もりは必ず細部まで確認し、納得してから契約するようにしましょう。
私たち株式会社大阪セレモニーでは、お客様のご意向とご予算を第一に考え、不要なオプションを無理にお勧めすることは決してありません。
それぞれのオプションが必要な理由や費用について、丁寧にご説明し、ご納得いただいた上で選択していただくことを大切にしています。
葬儀のオプションは、使い方によっては、より故人様らしい、心のこもったお別れを実現するための助けとなります。
しかし、その必要性を吟味せずに追加していくと、費用が膨らんでしまう可能性もあります。
大切なのは、「本当に必要か?」という視点を常に持ち、故人様やご家族の気持ち、そして予算とのバランスを考えながら、冷静に判断することです。
そして、信頼できる葬儀社を選び、しっかりとコミュニケーションを取ることが、後悔のない葬儀に繋がる一番の近道と言えるでしょう。
株式会社大阪セレモニー



