孤独と向き合う、私らしい最期|「おひとり様」の終活と死生観
皆様、こんにちは。株式会社大阪セレモニー代表の山田泰平です。
「葬儀業界の裏話シリーズ」、今回は多くの方が疑問に思われている「葬儀費用はなぜ高いのか?」という点について、業界に10年以上携わってきた私の視点から、その”カラクリ”と、賢く費用を抑えるためのポイントをお話ししたいと思います。
大切な方を亡くされた悲しみの中で、葬儀費用の心配まで重なるのは本当に辛いことです。
また「提示された見積もりが思ったより高かった」「追加料金がどんどんかさんでしまった」という声も、残念ながら耳にします。
なぜ、葬儀費用は高額になりがちなのでしょうか?
そこには、いくつかの理由と、業界特有の構造が関係しているのです。
1. 不透明な「セットプラン」の罠
多くの葬儀社では、「〇〇プラン 〇〇万円」といったセットプランを用意しています。
一見、必要なものが全て含まれていて分かりやすいように思えますが、ここに落とし穴がある場合があります。
①必要ないものまで含まれている
セットプランには、必ずしも必要ではない物品やサービスが含まれていることがあります。
例えば、立派すぎる祭壇、過剰な装飾、使わない控室の使用料などです。
これらは個別に選択できず、結果的に費用を押し上げる要因となります。
②グレードアップを前提とした価格設定
基本プランの価格は安く見せかけておき、実際には「このプランでは少し寂しいですね」「もう少し立派なものにしませんか?」と、より高額な棺や骨壺、祭壇へのグレードアップを勧めてくるケースがあります。
断りにくい心理を利用した営業手法です。
③「一式」表記の曖昧さ
「祭壇一式」「運営管理費一式」など、「一式」という言葉で詳細な内訳が示されていない場合があります。
具体的に何が含まれているのか、どこまでがプラン内で、どこからが追加料金なのかが非常に分かりにくいのです。
【対策】
セットプランの内容を鵜呑みにせず、必ず詳細な見積もりを取り、一つ一つの項目について「これは本当に必要か?」「他の選択肢はないか?」と確認することが重要です。
2. 追加料金が発生しやすい項目
見積もり時には含まれていなかった、あるいは説明が不十分だったために、後から追加料金が発生するケースも後を絶ちません。
①ドライアイス・安置日数
ご遺体の状態を保つためにドライアイスは必須ですが、特に夏場や火葬場の混雑で安置日数が延びると、追加料金が予想以上にかさむことがあります。
1日あたりの費用を事前に確認しておく必要があります。
②搬送料金
病院から自宅、自宅から式場、式場から火葬場への搬送距離が長くなると、追加料金が発生します。
特に深夜や早朝の搬送には割増料金がかかることもあります。
③飲食・返礼品
参列者の人数が予想より増えた場合、料理や返礼品が不足し、追加注文が必要になります。
一人頭の単価が高い場合、大きな追加費用となります。
④式場使用料(時間外)
打ち合わせや準備で予定時間を超過した場合、追加の会場使用料が発生することがあります。
⑤人件費
スタッフの人数や対応時間が増えた場合に、追加の人件費が請求されるケースも考えられます。
【対策】
見積もり時に、追加料金が発生する可能性のある項目とその条件、単価などを具体的に確認し、書面に残してもらうようにしましょう。
3. オプションサービスの「見えない」価格
葬儀社は、基本的な葬儀サービス以外にも、様々なオプションサービスを提供しています。
①エンバーミング(遺体保全)
ご遺体の状態を長期的に保つための処置ですが、比較的高額な費用がかかります。
②湯灌(ゆかん)
故人様のお体を清める儀式ですが、これもオプション扱いの場合が多く、費用が発生します。
③メモリアルムービー制作、遺品整理、各種手続き代行など
これらのサービスも便利ですが、それぞれに費用がかかります。
必要性をよく検討し、自分でできることは自分で行うことで、費用を抑えることができます。
【対策】
オプションサービスについては、必要性を冷静に判断し、料金体系をしっかり確認することが重要です。
勧められるがままに契約せず、「本当に必要か?」と遺族間で話し合いましょう。
4. 心理的なプレッシャーと情報不足
大切な人を亡くした直後は、精神的に動揺し、冷静な判断が難しい状態です。
その状況下で、短時間で多くのことを決めなければなりません。
時間的制約:「早く決めないと…」という焦りから、十分に比較検討できないまま契約してしまうことがあります。
「故人のために」という心理:「故人のために、できるだけ良いものを選んであげたい」という気持ちにつけ込まれ、高額な商品やサービスを選んでしまうことがあります。
情報の非対称性:一般の方は葬儀に関する知識が少ないため、葬儀社の言いなりになりやすい傾向があります。
可能であれば、生前に複数の葬儀社から資料を取り寄せたり、相談したりしておくことが理想です。
急な場合でも即決せず、可能であれば複数の葬儀社に連絡を取り、見積もりや対応を比較検討する時間を持つことが大切です。
賢く葬儀費用を抑えるために
- 複数の葬儀社から見積もりを取る(相見積もり)。
- 見積もりの内訳を詳細に確認し、不明点は徹底的に質問する。
- セットプランの内容を吟味し、不要なものは外せないか交渉する。
- 追加料金が発生する条件と金額を事前に確認する。
- オプションサービスは、必要性を冷静に判断する。
- 可能であれば、生前相談や事前見積もりを活用する。
- 公営斎場や火葬場を利用することも検討する。
- 市民葬・区民葬などの制度が利用できるか確認する。
私たち大阪セレモニーでは、お客様に安心して葬儀をお任せいただけるよう、料金体系の透明性を何よりも大切にしています。
詳細な見積書の提示:項目ごとに分かりやすく記載し、不明瞭な「一式」表記は極力避けます。
追加料金の事前説明:追加料金が発生する可能性がある場合は、必ず事前にご説明し、ご納得いただいた上で進めます。
お客様の意思の尊重:無理に高額なプランやオプションをお勧めすることは決してありません。お客様のご意向とご予算に合わせた最適なプランをご提案します。
葬儀は、人生でそう何度も経験することではありません。
だからこそ、費用に関する不安や疑問は尽きないと思います。
どんな些細なことでも、私たち大阪セレモニーにご相談ください。
誠心誠意、お応えさせていただきます。
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