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特定非営利活動促進法の一部を改正する法律について その1

堀之内卓

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特定非営利活動促進法の一部を改正する法律について



平成28年6月1日に、「特定非営利活動促進法の一部を改正する法律」(平成二十八年法律第七〇号)が成立し、平成28年6月7日に公布されました。
この法律は平成29年4月1日から施行されます。

※ ただし、一部は、公布の日から、もしくは公布の日から起算して2年6か月を超えない範囲内において政令で定める日から施行されます。
 一の3については、公布の日(平成28年6月7日)から施行。一の2については、今のところ施行日は未定です。

☆改正の概要

一 法人制度に関する事項

1 認証申請の添付書類の縦覧期間の短縮等(平成29年4月1日施行)

  認証申請の添付書類の縦覧期間を現行の2月から1月に短縮するとともに、現行の公告に加えてインターネットによる公表が可能になります。
 
 縦覧後の審査の期間は2か月以内に結論を出すというのは、変更ありません。これにより、設立の認証までに書類の受理からだいたい3~4か月かかっていたのが、2~3か月に短縮されることになります。
 適用されるのは、平成29年4月1日以降に設立の認証の申請をした団体になります。
  

2 貸借対照表の公告及びその方法(施行日は未定)

(1)貸借対照表の公告
  NPO法人は、貸借対照表を公告しなければならないものとすること。
  ※ なお、上記と併せて、NPO法人の登記事項から「資産の総額」を削るため、組合等登記令も改正になります。

  貸借対照表の公告が義務付けられた代わりに、いわゆる資産総額変更登記がなくなります。これを忘れているNPO法人は案外多くあり、登記懈怠で過料を受けることもありましたが、それがなくなるのは、事務担当者にとってはありがたいことです。

(2)公告の方法
  NPO法人は、公告の方法として、次の①~④の方法のいずれかを定めることができるものとすること。
  ① 官報に掲載する方法
  ② 日刊新聞紙に掲載する方法
  ③ 電子公告(内閣府ポータルサイトを利用する方法を含む。)
  ④ 公衆の見やすい場所に掲示する方法
  
 貸借対照表の公告が義務付けられましたが、一般社団法人、一般財団法人と同じように④の「公衆の見やすい場所に掲示する方法」を選べるので、負担はそれほど大きくならないと思います。
「公衆の見やすい場所に掲示する方法」とはどういったものなのか?
内閣府のHPの改正概要の案内では上記の表現ですが、同じサイトの改正法の説明資料では、「法人の主たる事務所の公衆の見やすい場所に掲示する方法」というように内閣府令で定める予定とあるので、事務所の掲示板で良さそうです。
http://www.npo-homepage.go.jp/kaisei

 貸借対照表についての公告方法が法人の事務所の掲示板も選べるということであって、従来通り、解散の公告については、官報で出さないといけません。
 施行日は今のところ、未定ですが、別の内閣府の資料に平成30年10月1日と仮定とあるので、このあたりで調整をしているものと思われます。

3 内閣府ポータルサイトにおける情報の提供の拡大(平成28年6月7日施行)

 所轄庁及びNPO法人は、内閣府ポータルサイトにおいて、一定の情報の公表に努めるものとすること。

 内閣府では、内閣府NPO法人ポータルサイトの全面リニューアル(登録や検索の利便性の向上)を実施し、スマートフォンやタブレットからの利用にも対応しているとのこと。


4 事業報告書等の備置期間の延長等(平成29年4月1日施行)

 NPO法人が事業報告書等を事務所に備え置く期間を、現行の「翌々事業年度の末日までの間」から「作成の日から起算して五年が経過した日を含む事業年度の末日までの間」に延長するとともに、NPO法人から提出された事業報告書等を所轄庁において閲覧・謄写できる期間を、現行の「過去三年間」から「過去五 年間」に延長することになりました。

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