特定非営利活動促進法の一部を改正する法律について その1
よく誤解されることですが、NPO法人が利益を上げてはいけないということではありません。
非営利というのは、無償という意味ではないので、お客さんからお金をもらって事業を行うことは問題ありません。
ただ活動により余った利益を構成員(NPO法人では「社員」といいます)に分配したり、また財産を構成員に還元したりしないということです。
分かりやすく言うと、決算で100万円が余ったからといって、社員(従業員のことではありません)20人で5万円ずつ山分けをすることはできないということです。
営利法人である株式会社の場合は、利益が上がれば構成員である株主に対して、配当という形で利益を分配できますが、NPO法人はこうした分配ができません。
では残ったお金はどうなるのか?
余剰利益は次年度の活動のために全額繰り越すことになります。
ここで言う利益とは、売り上げから職員の給料等の必要な経費を差し引いた残りのことを言います。
こちらもときどき誤解されますが、NPO法人に従事する人は無償のボランティアでなければならないことはありません。
きちんと労働に見合った対価として、給料を支払うことができます。
なお、NPO法人は特定非営利活動(その団体の目的を達成するための本来の活動=本来事業とも言います)に支障が出ない程度で、団体の活動経費を捻出するための「その他の事業」という収益事業を行うことが出来ます。
ただし、その収益は全て特定非営利活動に充てなければなりません。
例としては、環境保護を訴えるNPO法人が活動資金を得る為に、事務所前に自動販売機を設置して、その売上を活動資金に充当することなどがあります。
自動販売機で飲料を売るというような、環境保護を訴える活動(本来事業)と直接関係のない資金稼ぎの事業を「その他の事業」といいます。
先にも述べましたように、その他の事業は本業に支障のない範囲で行わないといけません。
その他の事業で本業に手が回らないという状況になったら、NPO法人としての存在意義を失うからです。
支障のない範囲とはどの程度のことを言うのでしょうか?
その他の事業の支出規模(事業費及び管理費)は、総支出額(事業費及び管理費の総計)の2分の1以下でないといけません。
もちろん、利益はいくら上がってもいいので、その他の事業を行うときは、本来事業にお金を回すためにどんどん稼ぎましょう!