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滋賀県・大津京の最乗院観桜会で「かっぽれ」の奉納

2019年4月9日 公開 / 2019年4月11日更新

テーマ:街歩き

コラムカテゴリ:冠婚葬祭



滋賀県大津京にある天台宗の寺院
最乗院の観桜会に参加しました。



境内には枝垂桜が琵琶湖に向かってお辞儀をするように見事に咲いていました。
一年に一度の桜の開花は見る側も思わず涙腺が緩みます。
この美しさと感動は私一人が見ているのではなく、今はいない父母も一緒に見ているようでした。

本堂で参加者全員と ご住職のお勤めの後
櫻川ぴん助さん による「かっぽれ」の奉納が行われました。
参加者は30人余りでしたが本堂や枝垂桜の下でとても賑やかな、そして厳粛な奉納でした。
「 かっぽれ かっぽれ 」と覚えている節もあるのですが
見たことが無かったのでとても楽しみでした。
指先をそろえ身体の動きはやわらかく 歯切れのある凛々しい踊りでした。



かっぽれの語源は 「おかぼれ」
「あなたに命がけで惚れました。私に出来ることをあなたにしてあげます。でも
見返りは決して求めません」という意味だそうです。
かっぽれは大阪・住吉大社の住吉踊り(重要無形文化財指定)に端を発し
江戸は浅草三社様の境内で大道芸として踊られていたものです。
かっぽれは五穀豊穣を願った奉納芸能ですから全国各地の神社仏閣にて、奉納芸能として
踊りを披露しています。
また、かっぽれは歌舞伎の名優といわれた九代目市川団十郎らによって
明治15年に初上演され「初霞空住吉」として現在も歌舞伎役者によってヒノキ舞台で
踊られています。

住吉神社の御田植神事(おたうえしんじ)に奉納された芸能に由来し、この踊りを
「住吉踊り」と称して伊勢の地元で「伊勢音頭」となり願人坊主等によって
全国的に普及し江戸に入って「かっぽれ」となりました。

踊りの種目には 伊勢音頭・深川・大津絵・奴さん・桃太郎・みかん舟・・・など
数多くあります。

櫻川ぴん助さんにはこの日初めて出会いましたが
とても気さくで素敵な方でした。
かっぽれの踊りは素晴らしく楽しませて頂きました。
観桜会に参加させていただき最乗院ご住職にも感謝致しております。



櫻川ぴん助さんとは
昭和56年、名取「櫻川梅寿」に。
昭和60年家元を襲名
豊年斎五代目、櫻川ぴん助(二代目ぴん助)を名乗る。
初代の父・櫻川ぴん助はお座敷芸にして、優雅。
二代目の芸は躍動的と評価されている。
原点の大道芸としてのかっぽれを中心に海外公演、
小学生への指導など幅広い分野に挑戦している。

平成十四年八月東京都の石原新太郎知事から大道芸ライセンス第一回
ヘヴンアーティスト取得。平成二十九年に家元継承三十五周年を迎え
現在に至る。



この記事を書いたプロ

高田治郎

墓石の専門家

高田治郎(株式会社 京石)

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