野球グラブの販売からメンテナンス、フィジカルケアまで選手をトータルにサポート（3/3）

何かを「教える」のではなく、選手自身が気づくよう「導く」ことを大切に

　鈴木さんがメンテナンスやリペアをしたグラブを手にした選手からは、「それまでは打球が飛んでくるのが嫌だったけど、今は自分のところに球が飛んでくるのが待ち遠しくなった」「早くこのグラブでノックを受けたい」という感想も寄せられているそう。

　鈴木さんが、心がけている日課は、毎朝、グラブと静かに向き合うこと。「選手が求めることに対して、常に最善の答えを出せる自分でありたいので、形が崩れたグラブをどう直したらいいかとか、原因は何かとかを内観するんですよ。すると、あっ、そういうことかとひらめいたりします」と選手のプレーを見るだけでなく、自分自身を見つめる時間を大切にしていると言います。

　また、鈴木さんが大事にしているのは、何かを「教える」のではなく、その選手自身が気づくよう「導く」こと。「こうやったらこうなるよ、ではなくて、こういう動きは？これは？あれは？こうしてみたら？と選手と一緒にいろいろ試してみる。これにより、本人が『おっ、これだ！この動きだ！』と体感する瞬間があります。自分で自分の身体の動きがわかると身体が喜んで、球を受けるのが楽しい、ワクワクするといった気持ちが自然にわいてくるんです」

　また、アメリカ・ポートランド発のアパレルブランド「BASEBALLISM（ベースボールイズム）」の日本総代理店として、Tシャツやスウェットパーカーなどアパレルの店舗販売をはじめネット販売や卸売りも行っている鈴木さん。「日本向けの企画、デザインを考案するなど、このブランドを多くの方に知っていただき、今後、この事業をさらに充実していきたい」と意気込んでいます。

（取材年月：2021年4月）

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