野球グラブの販売からメンテナンス、フィジカルケアまで選手をトータルにサポート（2/3）

社会人チームでプレーした経験を生かしグラブ開発に着手

　鈴木さんは小学生のころに野球を始め、社会人野球チーム「王子製紙米子」に在籍し、7年間、選手としてプレーをしていた実績があります。

　「おやじが小さなスポーツ店を営んでいて、生まれた時から目の前にグラブが並んでいたんですよ（笑）。おやじは少年野球の指導にも携わっていたので、いつも野球関係者が店にやってきては、グラブのことや野球談議をしていました。ずっとそばで聞いていたので、グラブのことは勝手に身体に染み込んでいたんでしょうね」と笑います。

　26歳のとき、家業を引き継いだ鈴木さん。あるとき、グラブの製造工場を見学していたところ「自分でブランドを作るのも面白いのではないか」と思ったそうです。そこから、グラブの企画開発やデザインをするように。

　2009年には、現在の「With Sie」を設立。並行して、これまで培ってきたプレーの経験、グラブづくりの知識、技術を生かして、社会人やプロ選手用のグラブなどを扱うブランド「Ip select」を生み出しました。

　現在は店の運営のほか、アメリカのメジャーリーグ「タンパベイ・レイズ」の筒香嘉智選手、「オリックス・バファローズ」の山本由伸選手をはじめ、プロ選手のグラブを数多く手掛けています。

　「選手とは、シーズンを通じて定期的に連絡を取り、グラブの状態を確認しています。パフォーマンスの向上など取り組んでいる課題に対して、うまくいっているかどうかを尋ねたり、悩みごとについて、こんなことをしたらどうかと提案したりしています」

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