下顎前歯の「カチッと入れ歯」のケース
皆さん、こんにちは!いかがお過ごしですか?
津谷歯科医院 院長の津谷 良です。
現在入れ歯の安定剤を多くの患者さんが使用されています。
テレビを見ていると、毎日何回も入れ歯安定剤のコマーシャルが流されていますネ。
確かに患者さんの入れ歯に対する不満の声の代弁者と捉えたほうがどうやら正解のようです。
しかし入れ歯安定剤で接着して使っているうちに、
入れ歯はますます合わなくなってくることが多いとことも知っておいて下さい。
なぜなら、本来ならぴたりと吸着しなければならない歯ぐきや口蓋と入れ歯との間に
柔らかい安定剤をたっぷりと塗って接着すると、
グッと噛み合わせたり、食べ物を噛んだりしているうちに、
その圧力の加減によって入れ歯が傾いたり、ズレたりしたまま固定されてしまうからです。
そのまま食事をしたり、話したりしているうちに、
咬み合わせはますますズレていきます。
入れ歯を支えている顎堤(歯ぐきのドテ)に無理な力がかかるため、
顎堤の下の歯槽骨はどんどん減っていき、低くなっていきます。
こうなると義歯床と顎堤との間の空間はさらに大きくなり、
安定剤をさらに厚く塗って使わなければならなくなります。
このような悪循環に陥る危険性は大変高いのです。