職人さんこんにちは! VOL.1 岩井建築(大工:岩井 一能)
こんにちは!にしだ建築工房です。
こちらの記事では当設計事務所と協力して家づくりをしてくださる職人さん方にフォーカスしていきます。職人さんのもつ「強み・得意分野」「知識・経験」をより多くの方に知っていただき、家づくりの参考にしていただければ幸いです。当設計事務所と一緒に家づくりをする職人さんは、「この人に是非まかせたい!」という方ばかり。第二弾は、「ひと手間を惜しまない大工と建てる家」というコンセプトで新築・リフォームをされている「株式会社レビウス匠」の尾﨑敦さんにお話を伺いました!
―まず、レビウス匠様の「レビウス」の部分にはどんな思いが込められているのでしょうか?
フランス語で「reve(レーブ)」は「夢」という意味です。
メビウスには無限という意味があるので、「夢が無限に広がるように」という意味を込めた造語になっています。
―どういった経緯で職人さんを目指されたのでしょうか?
幼いころから木が好きで職人を目指しました。父が指物師(さしものし)、今でいう家具職人であったこともあり、物心ついた時から「木材」は身近な存在だったのです。
加えて、新築の棟上げで「餅を投げる役目をやってみたい!」と幼心ながらにずっと憧れていました。「大工さんになれば餅投げできるんだ!」と純粋に思っていましたね。
社会に出てすぐ、先ずは親方のところに住み込みで4年働き、次に宮大工さんのもとで3年間修業を積みました。
中でも、宮大工さんの下で働いた経験は今も自分の中で生きていると思います。一般住宅を建てる時とは違う感覚で、使う道具等も全く違います。カンナ、チョウナ、ノミ等の皆さんが実際に見たことも無いような刃物を使い、木を削り出す修行をしました。
その後、28歳で独立し、もともとは「尾崎建設」という屋号で活動しており、現在は「株式会社レビウス匠」になって6年が経ちます。
―レビウス匠さんのサービスの特徴や強みは何ですか?
木材ごとの「個性」を知っており、適材適所の利用ができるという点が強みです。
例えば、水回りには水に強い材料である「ヒバ」や「ベイスギ」を使用します。
ヒバやベイスギ等の木材は油分が多く含まれているため、水を吸いにくく、水回りに使っても傷みにくいのです。また、シロアリが住みつきにくい木材には、スギの赤身やヒノキ等の香りが強い木材が例として挙げられます。木の持つ個性を知ることで、お客様のご要望に合わせた「本当の木のお家」を作り上げることが可能です。
加えて、「家づくりの融通が利く」ことも弊社の強みです。
今の家づくりは「家を買う」という感覚ですよね。まず展示場に行くか、もしくは完成図のイメージを見て、出来上がった家をみて、お金を払うので、お客様と作り手の接点はほとんどありません。
昔ながらの家づくりは、まさに「家を建てる」という感覚です。「建てる」というニュアンスがそのまま表している通り、柱ひとつ、木材ひとつから作り上げる。家を建てている途中で、「ここの部屋はこんな風にしてほしい」、という融通が利きます。
新築でもリフォームでもお客様との接点が多いほど、職人は腕の見せ所。職人側も知識があるので「こんな工夫もできますよ?」と提案ができる良い環境が生まれます。
―高い技術力をお持ちの大工である尾﨑さんですが、どんなお客様からのご注文が多いと感じますか?
大変有難いことに、ご注文いただく方はお客様のご紹介の方ばかり。仕事はリフォームが多いですが、特に60~70歳のご年配の方は「木を贅沢に使った本物嗜好の家を建てて欲しい」とおっしゃる傾向にありますね。その他の依頼では、直島の公共施設の建設に関わったこともあります。そこはかなり大きな施設で、部分的な木造部の担当として携わったのですが、真面目に大工をやっている人でないと対応できないような複雑なものでした。建物の構造だけではなく、木材の「厚さ」や「たわみ」等の癖を知っているからこそ美しい施設を完成させることができたと思っています。
―お仕事の際に「大切していること、こだわっていること」について教えてください。
お客様に喜んでいただくために、お客様が予想する以上に理想的な提案を行い、それを実現しようと意識しています。オーダーメイドで、他の人がしないことをしたいですね。お客様の思い描く理想の環境を教えてもらいながら、職人のアレンジを加えて家づくりをするので、細部までこだわりを持った仕事ができますよ。
加えて、お客様の「安心」にもこだわっています。
瑕疵担保保証10年、地盤保証、シロアリ賠償保証など各種保証制度を充実させ、お客様の立場になって「安心」を一緒に考えます。また、長く快適に住み続けていただくためにアフターフォローの一環として、次世代を担う後継者である息子たちへの技術伝承も順調です。
木ひとつに存在するドラマを、親子で永く紡いでいけたらと思っています。
もっと知りたい→http://www.levius-takumi.com/
インタビュアー・ライター:杉原未来(フリーライター、2022 Miss SAKE okayama準グランプリ)