ネジ止めしないとダメなソールもあるらしい!?
こんにちは。
足と靴のフットライト.梶田です。
「修理出来たのなら捨てなきゃよかった」「他では断られたけど、本当は簡単に直ったの?!」と驚かれることがあります。
そういった方からよく話を聞いてみると、【他店で断られた修理ご相談ください】とか【他店では修理出来ないと言われてもあきらめないで】などと謳っている靴修理店に相談した際に、にべもなく断られてしまったんだという話が多く聞かれます。
実は、【他店で断られた修理】や【他店では修理出来ないと言われた】といった言葉は、靴修理店にとっては使い勝手の良い魔法の言葉なんです。
今回は、この魔法の言葉について少しだけ裏話をしたいと思います。
・駆け出しでも名店に大変身!
靴修理店を始めたばかりで箔がない、実績もない、そもそも得体が知れないといった店舗でも、魔法の言葉を使うとばお客さんはホイホイ寄ってくるんですよ。
これは、靴修理店というプロショップが、「他店では修理出来ない靴でも相談を受けますよ」といった言葉を使っているなら、「その辺りの靴修理店よりも腕が良さそう」と、お客さんは勝手に勘違いしてくれるからなんです。
なので、今日が初仕事という駆け出しであったとしても、はた目から見るとトップクラスの技術者になれるんですね。
・修理を断ってもリスクはゼロ!!
「他店では修理出来ない靴の相談受付ます」と謳っている靴修理店の技術者が、「これは修理出来ませんね~」「修理は無理ですよ」「うちでは対応してません」と即決で断った場合でも、この断った靴修理店が「修理出来ない店」というレッテルを貼られることはありませんので、ノーリスクで面倒な修理やお金にならない修理を断ることが出来ます。
これは、「他の靴修理店では修理出来ない靴でも応対できる」店が断るほどの無茶苦茶な修理を相談してたんだなぁと、お客さんが勝手に解釈してくれるので、いくら断ったとしても店の信用は一切落ちないからなんです。
むしろ、簡単で儲かる修理だけを選別することが出来るので、収益を上げるにはもってこいの魔法の言葉なんですよ。
・修理出来ない理由も説明しなくてOK!!!
トップクラスの技術者が断った修理相談について、「どうして修理出来ないんですか?」と食らいついてくるお客さんはほとんどいません。
これは、そもそも一度他店で断られた修理を、更に上の技術を持っているという靴修理店に相談した上で修理出来ないという回答を出された以上、「修理出来ない靴を相談していた自分に問題がある」とお客さんが勝手に解釈してくれますから、下手に断った理由を説明してボロを出さなくてもよいというメリットもあったりします。
少しだけお話ししましたが、例えばどんな業界のどんな業者のホームページでも輝かしい実績内容があればデカデカと記載している通り、靴修理業界でも「他店で断られた修理」を実際に修理したことのある靴修理店は「修理実例」として掲載をしています。
また、どうしても修理出来ない場合、本当に技術と実績のある靴修理店でしたら、「このような理由で修理出来ない」と筋道の通った説明をしますから、もしも魔法の言葉を使う靴修理店で「修理出来ない」と言われた場合は、何故修理出来ないのかの理由をお聞きになられてみると良いでしょう。
心をくすぐる魔法の言葉は連発していても、実際の「修理実例」は皆無という業者はこの世に存在しないと思いたいのですが、話を聞く際は眉に唾をつけておくと良いのかもしれませんよ・・・。