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【住職目線ですが】もしもの時にまず頂きたい一報【今後のためにも】

若松慶隆

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 おそらく私含めて多くのお寺さんが思っている事。それは、
「ご家族がお亡くなりになられたら『まずお寺に一報を入れて欲しい』ということ」です。(←いわゆる新家は少し別事情)

 特に喪主さんにとってはパニック状態であり、そんなことまで気が回らない、というのはよく分かります。(←私も喪主経験有りですからね。)
 
 そこで活躍すべきは葬儀社さん。少なくとも私は、

『まず家の方がお寺さんに一報を入れてご都合を伺うようにアドバイスしている葬儀社さん』はその点においてとても信頼が出来ると思っております。逆に、

「『瀬戸内市邑久町○○の●●さんが亡くなりました。ご家族との話では明後日の11時開式の12時出棺ご希望とのことですがご都合いかがですか?』とスタッフが電話してくる葬儀社さん」のことは正直あまり信頼出来ません。

 残念ながらⒶよりⒷが増えているのが実情です。
(なんと『ご都合悪いようでしたら遠方ですし、当社提携のお寺さん呼びましょうか?』と言われた経験有り)
ⒶとⒷ、両者の違いは、檀家さんとの今後のお付き合いにも大きく影響し得ます。
 
 何がどう影響するのか少し詳しくお話致します。
 亡くなられた方とは生前お互い大変よく知った関係にあったものの、喪主となる息子さんとはお通夜の段になって初めて顔を合わすケースは大いにあります。
 そんな喪主さん(及びご家族ご親族)にとって、
Ⓐ´「『明後日の葬儀であれば〇時以降であれば私は都合がつきます。』→しかし火葬場が空いてなくて1日延ばすことに。→『明々後日でしたら何時でも今のところ私は大丈夫です。』『お忙しい所よろしくお願いします。』から始まるお付き合い」と、

Ⓑ´「喪家さんと葬儀社さんとで既に出来ていた腹案が『お寺さんの都合で出来なかった』→1日延ばすことに、、、から始まるお付き合い」とでは、

喪主さん(並びにご家族ご親族)の抱く心象は全く違うものでしょう。

 Ⓑ´の状態から「信頼できる住職さん」と思ってもらえるまで持って行くのはかなり骨の折れるエネルギーを要します。訃報は突発的なものです。
 ですが重なる時はいろいろと重なるものなのです。こちらは何も悪気があるわけではないのですけれど、ご希望に添えないことは当然発生します。その一方で喪主さんは頭が一杯一杯です。なので、その間を上手く繋いで下さる葬儀社さんスタッフはとても信頼できる存在です。

 きっとそれはお寺さんにとっても、喪家さんにとっても、葬儀社さんへの評価としても、最もみんなが win-win-win の関係になると思います。

 これから喪主をお務めになるかもしれない方(またはそのご家族)、たまたまこの記事をご覧になられた葬儀社さまへ。頭の片隅に入れておいて欲しいお話(意見)でした。(了)

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若松慶隆
専門家

若松慶隆(住職)

朝日寺

元銀行員という異色の経歴を持つ住職。多様な価値観でそれぞれの家庭事情に真摯に向き合い葬式や法事などを執り行う。寺の歴史や伝統行事などをHPやSNSで情報発信し、檀家外の人も集う開かれた寺を目指す。

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