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液状化現象・液状化対策

2020年8月22日 公開 / 2020年9月11日更新

テーマ:HySPEED工法の紹介

コラムカテゴリ:住宅・建物

首都圏を襲った液状化

東日本大震災では津波の被害がクローズアップされていますが、首都圏において大きな被害をもたらしたのは「液状化」です。

沿岸の埋め立て地だけでなく内陸部でも数多く発生し、住宅地に被害を及ぼした液状化現象。

そんな怖い液状化を未然に防ぐことができます!

液状化現象とは?

地盤は土、砂、水、空気が均衡に混ざって構成されています。 この地盤が地震の大きな揺れでゆるい砂は下部から締まり、砂粒子間にあった水(間隙水)は上部に逃げ出します。 この水によって浅い部分の砂は飽和され液状化を起こします。 液状化が起こると重たい建物は沈み、軽いマンホールは浮き上がります。結果的に家は大きく傾きます。

“地盤改良”をすると“液状化対策”ができていると思っていませんか?
知っていただきたいのは“地盤改良”と“液状化対策”は全く別のものだということ。

 その土地に地盤改良の必要があるかどうかは、“地盤調査”を行なうことで判断します。
 一方で、その土地に液状化の危険性があるかどうかは、“液状化判定”という高度な工学的判断を必要とします。

 1964年の新潟地震をきっかけに“液状化”は広く知られるようになりましたが、その後も液状化について考慮されていない建物が増え被害も増すばかりです。日本の企業は長年、“液状化”から逃げてきたのです。

ハイスピード工法の特徴
地震時の液状化をドレーン効果(排水効果)により抑制します。

液状化判定

 弊社の液状化判定は、自社開発のSSJサンプラー(特許取得)を使用します。
 SWS機を利用して、ボーリング(SPT)並みの採取精度を実現しました。低予算で高精度な液状化判定が可能です。

液状化対策

 下の図は弊社の液状化対策工事を施工した様子です。ハイスピード工法による改良に加え、基礎の下とその周りに砕石を敷きつめることにより水の逃げ道を確保します。
4号建築物の場合はハイスピード工法のみを施工した場合と比べても、費用はほとんど変わらないことがあります。

安心の“地盤保証”と“液状化保証”

 「地盤保証」+「液状化保証」がひとつになり、さらに安心の保証になりました。
 ハウスワランティの「液状化保証付地盤保証」は、液状化判定を行ない、判断結果から必要により適切な地盤対策工事を提案するとともに、地震に起因する地盤の液状化により不同沈下した建物の損害を保証するものです。

液状化対策は建築基準法施行令に規定されています

国土交通省告示1113号 第二(平成13年7月2日)では、地震時の液状化による地盤の変形について有害な損傷、 変形及び沈下が生じないことが定義されています。今後ますます住宅会社の施工責任は問われることになります。

避けては通れない液状化確認!
 ⇒ 設計士(ビルダー)の責任として避けられない。
 ⇒ 液状化の判定と対策が必要となる。

告示第1113号とは?

建築基準法施行令第93条の規定に基づき、地盤調査方法並びにその結果に基づき地盤の許容支持力度及び基礎杭の許容支持力を定めるもの。

地盤の許容応力度を定める方法は、次の表の(1)項、(2)項又は(3)項に掲げる式によるものとする。 ただし、地震時に液状化するおそれのある地盤の場合又は(3)項に掲げる式を用いる場合において、 基礎の底部から下方2m以内の距離にある地盤にスウェーデン式サウンデイングの荷重が1kN以下で自沈する層が存在する場合 若しくは基礎の底部から下方2mを超え5m以内の距離にある地盤にスウェーデン式サウンデイングの荷重が500N以下で自沈する層が存在する場合にあっては、 建築物の自重による沈下その他の地盤の変形等を考慮して建築物又は建築物の部分に有害な損傷、変形及び沈下が生じないことを確かめなければならない。
(国土交通省告示第1113号 第二抜粋)

分譲した市の責任問題

市の分譲地の中の一部だけが液状化したため、住民は市の責任問題を追及しています。

液状化は今後分譲をする方に、
大きな責任問題になる可能性があります。

この記事を書いたプロ

矢野伸二

安心・安全な地盤で快適生活と住宅の価値を守るプロ

矢野伸二(矢野建材工業株式会社)

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