長い目で見たときに、お願いしてよかったと思われる仕事を徹底する（3/3）

人に支えられ、磨かれながら、現在の経営スタイルを確立

　独立の意思を伝えたものの、社長は「しばらく部下が育つまでいてくれ」と高橋さんを引き止めました。
首を縦に振ったのは、それから3年ほど経ったころ。
「どれくらい本気か、独立してきちんとやっていけるか、見極めてくれていたんだと思います。社長は、職人としても人間としても成長させてもらった恩人。今でも感謝しています」と当時を懐かしみます。

　満を持して独立したあとは、脇目もふらず頑張ったものの、当初は経営が思うようにいかず、思い悩む日々が続きました。そんな状況を打開すべく、さまざまな勉強会やセミナーに参加。経営に関する勉強はもちろん、人脈づくりや自分自身を磨くために必死で学ぶうちに、経営は軌道に乗り始めました。

　いつも根底にあるのは、塗装業を一生かけてやっていきたい、自分の仕事で多くの人の家が長持ちし、そこで幸せな生活を送ってほしいという思い。現在、ともに働く6～7人ほどの職人と、月に一度開催する勉強会で、こうした思いや理念の共有を図っているといいます。技術はもとより、「喜んでもらいたい」の精神にあふれた自慢の職人たちに支えられ、これまで1000件を超える実績を積んできた『高橋塗装』。
今日もどこかで、「家族の幸せ」を塗り重ねています。
（取材：2018年4月）

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