長い目で見たときに、お願いしてよかったと思われる仕事を徹底する（2/3）

経営不振、・・・波乱万丈・・・、挫折続きの20代

　高橋さんは福岡県出身。父の転勤で、16歳の時に大分へやってきました。
　親に、早くから自立を促されていたので、翌年から自動車整備工場に勤務、寮で一人暮らしを始めます。
　給料が少なく生活が苦しかったため、昼は整備工場、夜は飲食店でバイトに励み、頑張っていましたが、ハードな毎日に限界を感じ退職。

　21歳の時、知人の社長の紹介で、自身で整備工場を立ち上げることになりました。工場の経営は順調で、次第に経済的にも余裕が出てきた高橋さん。ただ、気の緩みや、若すぎるが故のお金の使い方で散財してしまった結果、借金を抱え、工場は閉鎖に追い込まれます。

　そんなどん底だった高橋さんに、塗装会社を営んでいた高校の同級生から声がかかり、塗装の仕事を始めることに。そこで、心を入れ替えて真面目に働くうちに、自分が手がけた塗装が作品のように残るこの仕事に、喜びを感じるようになってきたといいます。
　
　数年後、同級生の会社がなくなり、他の塗装会社に転職。その会社に入ってしばらくすると、仕事では経験も積んで、収入も安定し、充実感を感じ始めてきました。
　ここで、これまで地に足がついていなかった私生活について、社長や妻から、厳しい言葉をかけられたことで、初めて目が覚めました。それまで苦労をかけていた妻と子ども、日頃から公私ともに親身になって面倒をみてくれた社長に報いるためにも、今度こそ、芯から変わろうと決意し、独立に向けて動き始めたのです。

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【次ページ】人に支えられ、磨かれながら、現在の経営スタイルを確立

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