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杉山健司プロは大分朝日放送が厳正なる審査をした登録専門家です

英語が苦手なT君との挑戦 〜音読指導の記録〜

杉山健司

杉山健司

テーマ:中学英語

中学生にとって、英語の勝負は、1年生で決まります。1年生の時英語が嫌になり、定期テストで30点以下しか取れないような状態になってしまったら、挽回は厳しいです。

うちの塾にT君という中学1年生で、1学期期末テストが29点の生徒が入ってきたので、僕はお母さんに「今塾に来て本当によかったです。英語は先伸ばしにすればするほど、挽回が厳しくなりますから。」と言いました。

T君に3ヶ月指導して、ようやく先行き明るい兆しが見えてきました。T君との3ヶ月を振り返ってみます。

「先生、僕、英語の教科書が全然読めないんです。」

中学1年生のT君が、うつむきながら切り出した言葉です。入塾して1ヶ月が経ちましたが、確かに英語の成績は振るいません。でも、その悩みを打ち明けてくれたことが、私には嬉しかったのです。

最初の一歩:ネイティブの音声を活用する

「T君、教科書のQRコードを知ってる?ネイティブの先生が読んでくれる音声が聞けるんだよ。」
T君はタブレットを持っていたので、その場で教科書のQRコードを読み取ってみました。
「わあ、本当だ...でも、速すぎて全然ついていけません...」
「大丈夫、最初はゆっくり進めていこう。まずは短い文から始めよう。」

音声と一緒に練習

次の授業では、教科書の最も基本的な文から始めました。
「I am Taro.」という短い文を、ネイティブの音声と一緒に練習します。最初は音声を聞くだけ、次に音声の後について読む「シャドーイング」を行いました。

「先生、なんだか外国人の先生の真似をしている感じですね」
T君が少し楽しそうな表情を見せました。

繰り返しの効果

「これ、何回も聞いていると、なんとなく読めてきた気がします!」
2週間後、T君が驚いた様子で教えてくれました。毎日の練習で、音の抑揚やリズムが少しずつ身についてきたようです。

「そうだろう?音声を聞きながらの練習って、自然な英語の読み方が分かってくるんだよ。」
私は意図的に、同じフレーズを何度も練習させていました。繰り返し聞いて読むことで、自然な英語の音やリズムが身についていくからです。

音読への自信

1ヶ月が経ち、基本的な文章の音読にも慣れてきました。
「T君、今度は音声を聞く前に、自分で読んでみよう。」
T君は少し緊張した様子でしたが、これまでの練習の成果を発揮し、ゆっくりながらもしっかりと読むことができました。
「すごい!前より自然な発音になってるよ。その調子!」

現在のT君は

入塾から3ヶ月。T君は今では教科書の基本的な文章なら、音声がなくても読めるようになりました。まだ完璧とは言えませんが、以前のような苦手意識は薄れ、むしろ「次は何が読めるようになるかな」と楽しみにしている様子です。

最近の定期テストでは、リスニングの点数が大きく上昇しました。ネイティブの音声を日常的に聞き、真似る練習を続けてきたことで、自然と耳が育ってきたようです。
指導を通じて学んだこと

ネイティブ音声を活用することの効果

少しずつ、着実に練習を積み重ねることの大切さ
生徒の気持ちに寄り添い、待つことの必要性
音声教材から実際の音読へと、段階的に進めることの重要性

T君との取り組みを通じて、私自身も多くのことを学びました。英語学習の初期段階でつまずいている生徒は少なくありません。このような音声を活用した段階的な指導方法が、他の生徒たちの支援にも活かせればと考えています。
「先生、今日も音声と一緒に練習していきましょう!」
毎回の授業でT君が見せる、この前向きな表情が私の励みとなっています。

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杉山健司
専門家

杉山健司(学習塾講師)

杉山学習塾

生徒一人一人の個性にあわせて『勉強の処方箋』を用意する、きめ細かな個別指導を行っています。的確な指導で勉強の楽しさを知り、学習意欲が備わった生徒はどんな勉強をしたいかを自発的に考え、急速に成長します。

杉山健司プロは大分朝日放送が厳正なる審査をした登録専門家です

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