耳をすませて ― 心の声を聴く朝
「ペットにも、お葬式をした方がいいのでしょうか?」
ペットを亡くされたご家族から、ときどき尋ねられることがあります。
私は、「必ずしなければいけません」とは申し上げません。
供養の形は、ご家族それぞれでよいと思っています。
ただ私は、大切な家族との最後のお別れの時間を持つことには、とても大きな意味があると思っています。
仏教には、私が大切にしている『菩薩願行文(ぼさつがんぎょうもん)』という偈文があります。
そこには、人間だけではなく、鳥や獣に至るまで、合掌礼拝の心をもって愛護していく
という教えが説かれています。
「人だから」「動物だから」と命を分けるのではなく、目の前にある一つの命を尊び、手を合わせる。
私は、この教えをペットのお見送りにおいても、とても大切にしています。
犬だから。
猫だから。
人間ではないから。
そうやって命の重さを分けるのではなく、
「あなたも、私にとってかけがえのない大切な命でした」
と手を合わせる。
正雲寺では、そんな思いで、大切なペットの火葬からお葬式、その後のご供養までお勤めしています。
火葬は、亡くなった身体との最後のお別れです。
だからこそ、ただ火葬するだけではなく、その子と過ごした日々を振り返り、
「あなたの命を大切に思っていました」
「家族になってくれてありがとう」
そう伝えて、手を合わせてお見送りしていただきたいと思っています。
正雲寺では、人も動物も分け隔てることなく、一つの尊い命としてお見送りしています。
そして、お葬式は亡くなった子のためだけにあるものではありません。
残された私たちが、その子からいただいたたくさんの愛情や、一緒に過ごした幸せな時間を思い返し、
深い悲しみの中から少しずつ**「ありがとう」へと心を向けていく時間**でもあるのです。
私は、ペットのお葬式を「しなければならないもの」とは考えていません。
けれども、大切な家族とのお別れに、きちんと手を合わせ、感謝を伝える時間を持つことには、大きな意味があると思っています。
命に手を合わせる。
私にとって、ペットのお葬式の原点は、そこにあります。
合掌
ー後悔のないお見送りのために ー
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