FP協会 大分支部 継続研修会
大分で活動しているファイナンシャルプランナーの三重野徹です。
子どもがいない共働き夫婦、いわゆるDINKs（ディンクス）にとって、
「老後の暮らし方」は将来の安心を大きく左右する重要なテーマです。
教育費の負担がない分、現役時代は比較的ゆとりがある一方で、
DINKsの老後は“夫婦二人”と“おひとり様”の時間がどちらも訪れるという、独自のライフプラン上の特徴があります。
そこで今回（最終回）は、
DINKsが考えておきたいセカンドライフ設計について、
老後資金・住まい・介護・相続・終活まで、FP目線でわかりやすく整理していきます。
検索されやすいテーマである「DINKs 老後の不安」「子どもがいない夫婦の老後資金」にも触れながら解説します。
【1】DINKsの老後は“支出の山が後半に来る”構造
子どものいない夫婦は、教育費がないため現役時代の支出は比較的安定しています。
しかし、DINKsの老後は後半に大きな支出が生じやすいという特徴があります。
特にポイントになるのが次の3つです。
●① 介護費用が自分たちに集中する
兄弟姉妹に頼れなかったり、子どもがいないため、
「介護を担う人」がいないリスクが大きくなります。
訪問介護・有料老人ホーム・サ高住など、
外部サービスに頼る前提での老後計画が必須です。
●② 家事や生活管理も“外注”が必要になる可能性
年齢を重ねると、掃除や買い物・食事準備が難しくなるタイミングが訪れます。
そのため、
・家事代行
・宅食サービス
・移動サポート
などを利用することで、生活コストが想定より上がる可能性があります。
●③ どちらかが先に亡くなった後の「ひとり時間」が長い
DINKsの老後で最も重要なのが、
「配偶者が先に亡くなった後のひとり老後」の設計です。
ひとりになった瞬間、
・老後の生活費
・住まい
・介護
・相続
など、生活の土台が大きく変わります。
【2】「ひとり老後」の生活費と住まいをどう考える？
検索ニーズが特に高いのが、
「DINKs ひとり老後 生活費」「子どもがいない夫婦 老後資金」です。
●ひとり老後の生活費は夫婦の約7割
総務省データでも、単身世帯は支出の面で割高になります。
住居費・光熱費・通信費は人数が減っても大きく下がらないため、
ひとり老後費用は “夫婦の7割” を目安にすると現実的です。
●老後の住まいは“早めに決める”のがポイント
DINKsに多い「駅近マンション」「便利な都心部」でも、
加齢とともに次の不安が出てきます。
・階段や段差のある住まい
・管理費・修繕積立金の負担
・住戸の老朽化
・近隣に生活支援サービスがあるか
50代〜60代のまだ健康なうちに、
老後の住まい方（持ち家・賃貸・住み替え）を決めておくことが、DINKsのセカンドライフでは非常に重要です。
【3】お金の寿命を延ばす“DINKs向け資金計画”
老後資金を長持ちさせるための考え方は3つ。
●① iDeCo・NISAを活用して「長期資産」をつくる
DINKsは収支が安定しやすいため、
積立投資との相性が非常に良いのが特徴です。
特に老後を支えるのは、
・iDeCo
・NISA
などの長期運用で作った資産。
●② 固定費の見直しは“老後前”に終わらせる
健康保険、通信費、住宅ローン、車の維持費など、
老後の支出に直結する固定費は、50代のうちに整理しておくと安心です。
●③ 介護・医療リスクに備える
DINKsに多いのが、
「子どもがいないから保険は不要」という誤解です。
実際には
・介護状態になったとき
・働けなくなったとき
・長生きしたとき
のリスクこそ大きいため、
医療保険・就業不能保険・認知症保険など、“自分を守る保険”が有効です。
【4】終活・相続もDINKsには重要テーマ
DINKsは相続人が限定されるため、
終活・遺言書の作成が特に大切です。
・財産を誰に遺すか
・誰に手続きを託すか
・実家の整理をどうするか
・デジタル遺品の管理
など、早めの準備でトラブルを避けられます。
【5】まとめ：DINKsのセカンドライフは“計画した人から安心
子どもがいない夫婦の老後は、
不安を感じやすいテーマでありながら、情報が少ない領域です。
だからこそ、
・老後資金の見える化
・住まいの検討
・介護と終活の準備
を早めに始めるだけで、将来の安心度が大きく変わります。
DINKsのセカンドライフは、
「自由」と「安心」の両方を叶えられるライフデザインです。
いまから一緒に、最適なプランを描いていきましょう。
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