災害リスクに備える住宅火災保険について
大分で活動しているファイナンシャルプランナーの三重野徹です。
まずは、この度の能登半島地震により被害を受けられた方々に心よりお見舞い申し上げます。
震災により住宅、家財、車に被害を受けた場合には雑損控除
を受けることができます。
また、震災だけでなく近年は台風や大雨での災害も増えてきていますよね。
今回はこのような自然災害によって被害を受けた場合に適用できる雑損控除について解説していきます。
雑損控除とは自然災害や火災、盗難、横領などによって損失があった人が受けられる控除です。
15種類ある所得控除のうちの1つで、税負担が軽くなります。
まず対象となる損害の原因を見てみましょう。
①震災、風水害、冷害、雪害、落雷など自然現象の異変による災害
②火災、火薬類の爆発など人為による異常な災害
③害虫などの生物による異常な災害
④盗難または横領、(ただし詐欺や恐喝の場合には雑損控除は適用されないので注意しまし ょう)
次に対象となる資産について見ていきます。
①被害を受けた資産の所有者が「納税者」もしくは「納税者と生計を一にする配偶者その他の親族で、前年中の総所得金額等が48万円以下の者」であること
②棚卸資産もしくは事業用固定資産等または「生活に通常必要でない資産」のいずれにも該当しない資産であること
これは具体的には住宅と自動車、現金などの家財に限られるということです。
また事業用の財産は対象になりませんので注意しましょう。
続いて雑損控除の計算方法について確認してみましょう。
雑損控除で控除される額は次のどちらか多い方となります。
①「差し引き損失額-その年の所得金額×10%」
②「災害関連支出の金額-5万円」
つまり災害関連支出が5万円以上あれば雑損控除の適用を受けられることになります。
被害が大きい場合には翌年から3年上限に繰越して各年の所得金額から控除することもできます。
最後は雑損控除の申告方法についてです。
雑損控除は確定申告で行います。
年末調整では申告できないため会社員の方でも確定申告が必要となります。
①被害額の証明書
火災なら消防所、盗難なら警察が発行する書類です。
また、水害などで証明書がない場合でも該当の資産の取得価格や取得年月費が分かる書類など損失額が証明できる書類があれば申告が可能です。
②災害に関連して支出した現状回復費用などが分かる領収書
雑損控除を受ける際、被害を受けた自宅家屋を取り壊すための費用など災害に関連した支出がある場合その領収書の添付が必要です。
その他にも被災状況が確認できる写真を撮っておくと利用できる可能性があります。
被害を受けた直後は慌しくて申告できない場合もあるかと思います。
その場合、雑損控除は5年間まで遡って申告することができるため、期限内であれば落ち着いてから申告することも可能です。
その場合は証明書類を忘れずに保管しておきましょう。
災害や盗難などの被害にいざ遭うとパニックに陥ってしまう可能性もあります。
しかし、雑損除を知っていれば災害時に少しでもお金の心配を減らせるかもしれません。
即座に判断や申告ができなかったとしてもまずは何を取っておくべきなのかを判断できるよう雑損控除に関する知識を身につけておくことが大切です。
国税庁ホームページに詳細が書かれています。
参考にされてください。