薬学部の学生にお伝えする記憶の方法 ダメな勉強法も交えて

松井達治

松井達治

テーマ:薬剤師国家試験・勉強法・記憶法対策

薬学生の皆様、
こんにちは。記憶マイスターの「暗記のたつじ」こと、松井達治です。

突然ですが、皆様はご自身の記憶力に自信がありますか?

多くの方が「記憶は苦手」と感じていると思います。実は、私もそうでした。
漢字や英単語、歴史の人物やカタカナ語が苦手で、記憶することから逃げたくて理系に進んだほどです。
そのため、薬学生時代は大変でした。生物から始まり、薬理、成分名まで、とにかく覚えられなかったのです。今なら、その理由が明確にわかります。
現在は「記憶マイスター」として活動し、記憶が楽しくなる方法をお伝えしています。
今回は、以下の3点についてお話しします。

1.なぜ私は覚えることが苦手だったか?
2.そんな私がどういったきっかけで記憶力が上がったのか?
3.そしてどうすれば記憶力がアップするのか?

以上3点をお伝えしたいと思います。






1. なぜ私は記憶が苦手だったのか
私が薬学部に進むと決めたのは、高校3年の秋、母親に勧められたからです。
女性が多いという理由も、正直ありました(苦笑)。
薬学に興味がなかったため、学びに身が入らず、1年次には「転部したい」と親に泣きついたこともあります。
当時の私は、要領も悪く、「試験範囲のまとめノート作り」から勉強を始め、完成する頃には試験前日。
キーワードを何度も書いて覚えるスタイルでしたが、覚えているか確認せずただ繰り返していました。
結果は散々で、再試験のために何度も当時の1万円札だった福沢諭吉さんが旅立ちました。
再試験期間中は睡眠を削り、手が覚えるまで書いて、書いて、また書く。「書いて覚える」「声に出して覚える」「気合いで覚える」が私の全てでした。
大学3年のとき、福岡から来た友人に「松井、復習してる?」と聞かれました。
私は授業が終われば復習せず、試験が終われば忘れる、の繰り返し。
結果、国家試験には2回も不合格。友人はストレート合格でした。
冷静に考えれば当然ですよね。4年間で得た知識は薬剤師になるための「武器」なのに、それを定着させずに挑んでいたのです。

2. 記憶力が向上したきっかけ
40歳の時、「アクティブ・ブレインセミナー」と出会いました。
きっかけは、物忘れや固有名詞が出てこないことへの不安。そして、勉強会仲間の歯科医師の紹介でした。
正直、最初は付き合い程度の参加でしたが、内容に衝撃を受けました。
できなかった自分が、次々にできるようになる。そして、他の参加者もできるようになっていく。
その様子に「記憶力は能力ではなく、脳の使い方なんだ」と確信しました。
セミナーの時間はあっという間に過ぎ、予想もつかない量の単語を記憶できるようになりました。
それが転機でした。
私は講師を目指し、今では「記憶マイスター」として活動しています。
当時の私のように記憶に苦手意識を持つ方に寄り添いながら、記憶の楽しさを伝えています。年齢も学力も関係ありません。


3. 記憶力を向上させるには?
まず、ご自身の現在の記憶力をチェックしてみましょう。
下記の10個の単語を、番号ごとに2分間で覚えてみてください。

1.網 2. リボン 3. 幽霊 4. 水 5. パン
2.ハバネロ 7. 提灯 8. 豚バラ 9. 葉っぱ 10. オロナミンC

記憶には2種類あります。
「短期記憶」は一時的に覚える記憶で、容量が少なく、すぐにあふれてしまいます。
「長期記憶」は広大な容量を持ち、定着すれば長く保持できます。
今回は、この長期記憶を使って覚えていきます。

【確認テスト】
先ほどの単語を番号順に思い出して、2分以内に書いてみてください。
1問2点、20点満点です。結果はいかがでしたか?
10点以下でも大丈夫です。今から記憶法を使えば、記憶力は必ず上がります。

記憶を強化する2つのポイント
私が唯一、学生時代に得意だった暗記が「日本地図」でした。
各地を旅行した経験が楽しく、イメージと結びついていたからです。
ここに、記憶のコツがあります。

それは以下の2つです
① イメージすること
② 関連づけること

この2点を意識するだけで、記憶力は飛躍的に向上します。
例えば「車」と聞いて、「文字」ではなく「車そのもの」を頭に浮かべてください。
冷蔵庫の中を「言葉」で思い出すより、「映像」で思い出すほうが、はるかに多く思い浮かぶはずです。
そして「関連づけ」とは、「これがこうだから、これはこう」と意味や関係性を持たせて覚えることです。語呂合わせなども、この一例ですね。

記憶法「ストーリー法」
これらを活用した代表的な技法が「ストーリー法」です。
物語の流れの中で、覚えたい情報を結びつけていきます。
歴史が得意な人は、まさにこの方法を使っています。
では先ほどの10語を、ストーリー法で覚えてみましょう。
以下の物語を、映像として思い浮かべてください。

【記憶のストーリー】
まるこちゃんは今日、狩りに出かけました。
さて、今日はたくさんこの①網で捕まえるぞ!……でも網に穴が空いてる。これじゃダメだ。
そうだ、②リボンがある!これで結んで修理完了!
いざ!エイッ!捕まえた!……って、これ③幽霊じゃないか!
逃げろー!まだ追ってくる。どうしよう?そうだ!聖水はないけど④水ならある。
バシャッ!……やっと追ってこなくなった。
ああ、お腹減ったな。そうだ、⑤パンがある。アムアム……ヒャーッ辛い!
間違って⑥ハバネロも食べてた!
灯りをつけて、よけて食べよう。あった、⑦提灯!……これで安全に食べられた。
ん?なにあれ……たくさんの
⑧豚がバラバラが歩いてくる!?
怖い……⑨葉っぱで隠れよう。
よし、いなくなった。無事に帰宅。
今日も一日お疲れ様!最後は⑩オロナミンCで乾杯!

どうでしたか?ストーリーで記憶すると、記憶力は7〜8倍に跳ね上がるとも言われています。
では、もう一度番号順に単語を書いてみてください。
きっと最初よりも自信を持って書けるはずです。

おわりに
このように、「イメージ」+「関連づけ」で記憶力は飛躍的に向上します。
アクティブ・ブレイン・プログラムでは、今回ご紹介したもの以外にも、記憶に役立つ「脳の使い方」を学べます。記憶に自信がない方、学びを楽しくしたい方は、ぜひご参加をお待ちしております。

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