PROFESSIONAL
STORIES

Mybestpro Interview

地域に息吹を吹き込み、まちを活かして面白くする

地域に新しい価値をつくり、まちや人を輝かせるプロ

西田稔彦

西田稔彦 にしだとしひこ
西田稔彦 にしだとしひこ

#chapter1

大分から発信する、最先端の地方公共団体向けサービス

 洗練され、広々としたオフィス。カフェのような空間でミーティングを開く社員。まるでドラマに出てくるような都会的な雰囲気を醸し出す「株式会社 地域科学研究所」は、大分にありながら、全国を牽引する地域サービスシステムを構築し、提案する企業です。地方公共団体向けサービスとして、GIS(地理情報システム)により、ハザードマップや避難所リアルタイムなどを、マップに集約するシステムを設計したり、AI(人工知能)ソリューションなどのICT(情報通信技術)を用いて、多岐にわたるサービスを提供するなど、高い技術と専門知識、40年の経験をもって、地域の課題に向き合い、豊かな地域社会づくりに取り組んでいます。

 そんな時代の最先端を進む企業でリーダーシップをとっているのが、西田稔彦さん。多方面にわたる事業の中でも特に西田さんが専門的に取り組み、手腕を発揮しているのが、地域の新しい価値をゼロから生み出し創造する「地方創生」です。「公共の不動産や、老朽化した公共施設、廃校などの施設マネジメントをして、それらと民間の企業とのマッチングにも力を入れています」。たとえば、由布市で廃校になった校舎とグラウンドを活かし、キャンプ場や、ビジネスの場として誘致をしたり、豊後高田市の幼稚園をパン屋さんにするなど、取り組んできたプロジェクトのエピソードは多種多様。「弊社がもっている公共資産のデータベースも活かすことができます。パブリックの資産と民間をマッチングさせてブランディングをすれば、地方のポテンシャルはまだまだあります。地域に眠っている可能性は無限にあるんです」。
 マネジメントによりブラッシュアップされた地域は、身近にありながら、魅力に気づかないまま通り過ぎていた私たちにも、大きな刺激と喜びを与えてくれ、“地域の新しい価値”を提示してくれます。

#chapter2

社会人になり開花した芸術的感性

 故郷は竹田市で、竹田で教鞭を執っていた祖父と台湾人の祖母をもつクォーター。司法書士の父の仕事の関係で、幼少期に大分市に移り住みました。小さい頃は美術が好きで、図鑑を見ながらクワガタをデフォルメしたイラストを描くなど、クリエイティブなことに興味をもつ子どもだったそう。
 地元の高校から美術の道に進もうと試みるも、狭き門だったことから大学へ進学。そこで経済を学んだ西田さんは、資本主義に変わる新たな仕組みが、これからの社会に必要なのではと感じたといいます。

 就職氷河期で就職活動に苦戦し、広告代理店を希望したものの、卒業後は、最終的に縁のあった地域科学研究所に入社。社会人として試行錯誤していくうちに、「このままではだめだと思って、週末に絵画教室へ通って絵を描くようにしました。それがすごく楽しくて、たくさんのアーティストの方との出会いもありました」。絵を描く時間をもつようになってから、水を得た魚のように元気になっていった西田さん。眠っていた芸術的感覚が、ぐんぐん呼び起こされたといいます。

 それに比例して、職場でも成果を上げるようになった西田さん。仕事に打ち込み、結婚をして家庭をもち、人生を歩む中でずっと特別な場所だったのが、生まれた地であり、たくさんの思い出がつまった竹田市でした。「数年前に思い立って、祖父が住んでいた築160年ほどの古民家をリノベーションして、週末カフェを開いてみたんです。その際、まちの中に入っていき、リアルなまちの動きや内実を間近で見て、これまで机上のデータとして見てきたものを、実際に体験できたことは、貴重な勉強になりましたね」と振り返ります。

西田稔彦 にしだとしひこ

#chapter3

多方面がプラスになるまちづくり、夢づくり

 西田さんが地域創生に取り組む際に大切にしていること。それは、関わっている皆にとってプラスになること。そして、民間と公共の垣根を超えたまちづくりをしたいということです。そんな考えのもと、力を注いでいるのが、『パブリック+(プラス)』というプロジェクト。
「公共不動産に『地域科学研究所』が入ることで、新しい可能性を広げる社会実験的プロジェクトです。行政が主体になることもあれば、民間と連携することもあったり、クラウンドファウンディングなど、色んなケースが想定されます」。たとえば竹田で空き地をまわって、無限の使い道を想像する妄想ツアーをしたり、温泉と公園がセットになった中津の施設で、キャンピングカーやトレーラーを誘致したりと、創造の幅はどこまでも広がります。

 今後は、これらのプロジェクトを広く世界にPRし、適任となる事業運営者を探していくことが課題。独自のクリエイティブな発想力と芸術的感覚、コミュニケーション力や営業センスなど、その唯一無二の感性と能力を発揮しながら、あらゆる地域の課題にフォーカスし続けます。 
(取材:2020年10月)

リンクをコピーしました

Profile

専門家プロフィール

西田稔彦

地域に新しい価値をつくり、まちや人を輝かせるプロ

西田稔彦プロ

まちづくり AI、ICT開発

株式会社 地域科学研究所

地域に眠っている公共不動産の活用のため、民間企業や個人をマッチングさせたり、新しい切り口での新たな事業を考えるなどして、潜在ニーズを掘り起こして、「無」から「有」の価値を生み出します。

\ 詳しいプロフィールやコラムをチェック /

掲載専門家について

マイベストプロ大分に掲載されている専門家は、新聞社・放送局の広告審査基準に基づいた一定の基準を満たした方たちです。 審査基準は、業界における専門的な知識・技術を有していること、プロフェッショナルとして活動していること、適切な資格や許認可を取得していること、消費者に安心してご利用いただけるよう一定の信頼性・実績を有していること、 プロとしての倫理観・社会的責任を理解し、適切な行動ができることとし、人となり、仕事への考え方、取り組み方などをお聞きした上で、基準を満たした方のみを掲載しています。 インタビュー記事は、株式会社ファーストブランド・マイベストプロ事務局、または大分朝日放送が取材しています。[→審査基準

MYBESTPRO