傷が付いても大丈夫。自分で復元する天然木パワー
先日、明治初期に建てられた新潟市下町にある民家をリフォームしました。専門家が民家をみると、建てた当時の工法や何を考えて造られたのかがわかってきます。そこで今回はリフォーム時に見つけたことを項目ごとでお伝えします。
最初に骨組みを見てみると、すべて新潟県産の材木。調べてみると阿賀野川上流域から運ばれた杉のようです。150年以上経った今でもしっかりと役目を果たしている木材。新潟県産の杉は耐用年数が長いことがわかる実例です。
新潟県内の木材の特徴は、年輪が詰まっていること。
一般的に杉は3回伐採をしてようやく家の材木として使えるようになりますが、新潟県内の木を見てみると、3代目と同じレベルの杉がたくさんあることが分かります。その理由は湿気を含んだ重い雪が杉の上に降り積もるから。新潟県は冬になると水分を多く含んだ雪が木に重くのしかかり、力を加えます。その力が木の年輪が詰まった強度がある新潟県産の材木を生み出しているのです。
つまり、この民家は年輪が詰まった新潟県材で建てられた家だったようです。