「九九学習用デジタル教材」について再び特許庁から特許を認めていただきました。(特許7488951)
あけましておめでとうございます。
冬休み前後になると中学生が教室に来て必ずぼやく言葉があります。
「百人一首」の暗記です。
ほとんど拷問に近い宿題と多くの生徒は捉えています。
これによって古典嫌いになった人も多いのではないでしょうか。
私自身もほとんど覚えませんでした。
こんな宿題は出すやつが悪いと思っていました。
今でもそう思っています。
教室の書庫を探してみると「簡明百人一首」(尚文出版)という本が出てきました。
学校教材です。
巻末に「かるた」としての遊び方と、「全日本かるた協会競技規定」が掲載されているところを見ると、伝統的な遊びである「百人一首かるた」を紹介する意図もあるようです。
でも皆さんご存じのように、これはあくまで付録にすぎず、本当は和歌の技法や古典文法の学習教材です。
この本には、元の所有者のメモが挟まっていました。
私と違って真面目に勉強したようです。
これを見れば一目瞭然、これで和歌が楽しくなるでしょうか。
私だったら、生徒に好きな一首選ばせます。
そしてクラス全員の「好きな一首」を集め、各生徒に気に入った点を述べさせ、その中から数首を選んで技法、文法の解説をすればいいのです。
そして余興で「好きな一首」だけでカルタ遊びをさせればいいのです。百首すべてを使う必要はないと思います。
生徒を和歌嫌いにしてしまってはいけません。
「好きこそものの上手なれ」です。
どうしても百首すべてを暗記させたいのであれば、その後にすればいいと思います。
なお、私の「好きな一首」は「天の原ふりさけ見れば春日なる三笠の山に出でし月かも」(阿倍仲麻呂)です。
平安時代の和歌は技巧に走りすぎていて好きではありません。
万葉集に出てくるような素朴で雄大な歌が大好きです。
さて、以前青穂塾には低学年で百人一首競技をする生徒がいました。
近江神宮で行われる百人一首競技かるたに参加していましたから、当然すべて暗記していたと思います。
しかし和歌の内容は理解していないと思っていましたが、それを確認することはしませんでした。
それをすると嫌みになると思いましたので。
幼児に論語や漢詩を暗記させる教育機関がありますが、私は賛成しません。
江戸時代くらいなら学問の中心が論語なので、絶えず論語に触れることができます。
だから幼児段階で意味も分からず丸暗記したとしても,成長する段階で少しずつ本質的な意味を理解していくことができます。
現代の教育現場では、論語の本質的な内容に触れるのは中学生になってからです。
間が開きすぎています。
幼児に論語を丸暗記させても無駄という気がします。
ネット上にはいろいろな効果が紹介されていますが、幼児にとってさほど重要な効果があるとは思えません。
幼児には他にすることがあるはず。
自由な遊びを通して得るものがもっと多くあるはずです。