アウトサイダー(よそ者)だから気づくこと
□ DXとは
現在、国(経済産業省)が強く推奨しているDX(デジタルトランスフォーメーション)とは、市場環境のデジタル化に対応するために企業が行うあらゆる活動やビジネスモデル、組織や文化制度そのものを変革していく一連の取り組みのことです。
分かりやすく述べれば、単純に最新のデジタル技術を導入すればいいということではなく、導入することによって新たな価値を生み出すことを目指し、そのためのビジネスモデルを構築するための経営戦略やビジョンを立てる取り組みのことです。
つまり、システムやペーパーレス化などのカタチから入らずに、まずはデジタルという手段を活用して大局を考えて組織としてどのように進化していきましょうかということです。
□ 日本はデジタルに弱い!?なぜ?
2022年調べの「世界デジタル競争力ランキング」では1位デンマーク、2位はアメリカ、3位スウェーデン...8位韓国、11位台湾、17位中国...日本は...29位です。
日本人の傾向として、新しい挑戦よりも今まで育ててきたものを大事にするという感覚が強く、機械に頼らず人に頼るという傾向だと言われています。
しかし、2007年にiPhoneというスマートフォン、iPodという音楽を聞くデバイスに通話機能が追加されたものが、今やアプリがインストールすることができたり、決済機能が搭載されたり、もはや生活には不可欠なものになっています。さすがに機械に頼らざるを得ない状況です。
ユーザーとしてはデジタルを存分に利用していますが、企業や組織としてはどうでしょうか。
リーダー(経営者)がデジタルのことを理解していなかったり、理解していないから自分よりも理解がある誰かに「やっといてね」と言って丸投げしたり...それでは企業や組織としてみんなが同じ方向を向いているとは言えず、社内でありながら「他人事」にもなりかねず、進化することは難しくなるでしょう。
まずはリーダー(経営者)が今の時代、そしてこれからの未来を考えた上でデジタル経営戦略を考えなくてはならないのです。年齢のせいにしたり、デジタルが不得意だとか...それは現実逃避と言われても仕方がありません。
なぜなら、経営者の一番の優先すべき仕事は「未来を作る」だからです。不得意であれば、知識のある人間からヒアリングすべきでしょう。
□ DXもデザインも技術だけではダメ
デザインというのは色や形のことだけをいうのではなく、そこに込められた魂のことを言います。DXもシステムやアプリのことだけをいうのではなく、そこに込められたビジョンを含めてDXです。カタチ(見た目)よりも中身(心)の方が大事なのは人間と一緒です。その昔、技術性の高いモノづくりが主流産業だった我が国では「カタチから入る」という悪い癖があります。しかし今は「いいものを作れば黙っていても売れる」という時代ではありません。
□ アナログあってのデジタル
DXにしてもデジタルにしても、あくまでそれは単なる手段にすぎません。
ちゃんとした戦略も何もないのに、手段だけではどうしようもありません。
順番としては、戦略というアナログをリーダー(経営者)を含めた組織のみんなが同じ方向を向いてもらった上で、それを最適なデジタルという手段を活用するという順番です。
いきなりカタチから入ってしまったら、根幹の戦略がどんどん「こじつけ」のような弱いものになってしまい、企業や組織を進化させることはできません。まずは組織内で議論や意見交換を重ねたり、シミュレーションをしたり、情報収集をしたり...そういったアナログ的なことを固めた上でDXというデジタル戦略を構築するのです。
まずは、企業・組織としてブレてはいけないMVV(ミッション・ビジョン・バリュー)を構築し、それに沿ったDXでなければいけないのです。
□ 既存のアプリでDXは難しい?
例えば多くの企業で使われているマイクロソフト社の「Excel」という表計算ソフト、住所録や帳票などで使われているケースもよく見受けますが、Excelは表計算ソフトであってデータベースではなく、基本は単票形式であり、そのままではシートやファイルの数が増える一方で検索も難しくなります。そもそもExcelは基本的に個人用アプリケーションです。
また業種向けのシステムソフトも市販されていますが、企業や組織には独自のビジネスパターンがあり、「こんな機能があればいいのに...」とか「この機能はいらないんだけど...」などと感じることもあろうかと思います。
既存市販ソフトに自社を合わせられるのか?合うのだろうか?という疑問が生じてしまいます。
それなら「合わせるのではなく自社独自のシステムを開発した方がいいのではないか」という発想が出てきます。
やはり、DXとして企業・組織の進化を考えるのであれば自社専用のシステムを開発することが理想であり、推奨します。
その場合には次の選択肢が生まれます。開発を外注で委託開発にするのか、それとも社内でスキルアップさせて内製化に励むのかという選択肢です。
実際のコストとしては外注委託するとそれなりのコストはかかってしまいます。それなら内製化だったら費用がかからない...と思うかもしれませんが、内製化もコストは0ではありません。なぜなら、内製化することにより技術を習得する時間や本業から手が離れる...などの時間的コストがかかります。その時間で本来の売上や利益が減少することもあり得ます。また、技術を習得するということは未熟であればあるほど費やす時間のかかり方が大きなものになってくることがあります。
最近、推奨しているのは基本的に内製化し、外部の技術者をアドバイザーとして契約していただく方法です。
外部の技術者もテクニカルな要素だけでなく、経営や戦略などマーケティングの理解がある方が理想です。
□ デジタルが無い時代はあり得ない
時代のスピード感はデジタル化されている社会だからこそ、とても速く流れています。リーダー(経営者)にも時代を見抜く力が求められてきます。過去に固執せずに、未来を考えながら今すべきことを考えなくてはなりません。たとえ失敗しても恐れずに、同じ失敗をしないように挑戦し続けることこそが成長・進化への道だと考えます。失敗を恐れるあまりに「それだったらやらない方がいい」と考えるのではなく、過去の実績や失敗は、単に未来へのヒントでしかありません。失敗がなければ成功もありません。
これからの時代を考え、未来の社会においてどういう意義を創造するかが大事なことだと考えます。
未来を創る(デザインする)ことは、企業や組織の進化や事業承継の課題解消にもつながることだと考えます。
ちなみに、DXが「デジタルトランスフォーメーション」なのになぜ「X」なのかというと、トランスフォーメーションの「トランス」は「変換」という意味で、ビジネスモデルや組織を良き方向へ変革(変換)させるという意味で「X」だそうです。
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