個々人が自分をよく知ることは属する組織のためにもなる
うちの若手社員は、話を聞いていないんですよ・・・
というお話しをよく聞きます。
そこで、社員さん個々と軽くお話ししてみて感じることを。
実は彼らは、ちゃんと聴けます。聴いています。
「話しましょう」と声をかけて、最初は話が弾みませんし、こちらの話に「はい」という"良い子の相槌"を打つばかりです。
しかし、少し時間が経つと、笑顔になり、こちらの話を聴いて自分の言葉で自分の考えを話しはじめます。
何が起きているのかというと
最初は緊張なさっているのです。
この人も怒るのではないかと、萎縮している場合もありますし、
自分が話したことを、上司に告げ口するのではないかと探っている方もいます。
しかし、こちらが心を開いているのと、上司への報告はしないことや、問題解決のために話す際は本人の了解を得てから行うことや、名前を出さずに問題点のみを報告して解決策を見つけたい旨を伝えると、安全だとわかって、心を開いてくださるのです。
ここから感じるのは
話を聞かないのではなく、「怒られるのではないか」と萎縮していて、話を「聞ける精神状態ではない」方がいること。
もちろん、そこまで萎縮しているのには原因があります。
ごく一部ですが
・キチンと教えてもらえず、見て覚えるのが当たり前だと言われて途方に暮れている
・習ったことがメモを見てもわからなくなって再び尋ねたら、同じ事を何度も聞くなと怒られたため、わからないことがあっても質問できない
・先輩社員の注意の仕方が高圧的でキツい(先輩はそのつもりがなくても)から怖い
・勤めはじめてから、認められたことがない
・上記の流れで何をしても怒られる
などなど。
彼らの中では、「怒られる」ことに「恐怖感」を覚えたり、自己価値を認めることができなくなって
「怒られる」→「絶対に失敗できない」→「失敗しないためにはどうしたらいいか」→「でも頑張ってやってみた」→「けどやっぱり怒られた」→エンドレスで、動けなくなる。そして、また怒られるかもしれないという恐怖や焦り・・・
こんなことで、気持ちがいっぱいいっぱいになっていたりします。
こんな、いっぱいいっぱいな状態では
人は、相手の話を聞こうと思っても入ってこないでしょう。
話を聞かない社員が、ただ「聞いていない」のか「何か原因がある」のかを、しっかり見てみることも、大事なのではないかと思います。
つづく