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日本の学校教育を憂う

小林良行

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 今年の7月、東京の会計専門学校から突然電話をもらいました。昨年朝日新聞の「声」欄に掲載された私の投稿(文科省のタブレット学習プロモーションビデオに対する批判)を読んで共感され、話を聞きたいとのことでした。7月15日、東京から学校長(創始者)他1名が来塾され、90分近く対談。「考える会計教育」を実践されているとのことで、教育に対する考え方に共通するものが多く、大いに盛り上がりました。80歳を超えていらっしゃるとは思えない情熱に圧倒された私です。

 その際にも話題になり、いただいた著書でも力説されているのが、今の日本の学校教育についての見解です。大学入試を頂点とした偏差値教育が定着し、覚える勉強が主流となっている。これはもともと従順な国民をつくるための施策であり、結果として思考停止状態の人間が増えている。一人一人が自分の頭で考えぬく力、適正な判断力を持てるような教育をすべきだという主張でした。まさに私がずっと訴え続けてきたことと同じです。

 私も今の学校教育にはずっと危機感を抱いてきました。小学校低学年のときには学習に対する意欲があふれて目が輝いていた子どもたちが、学年が進んだり上の学校に進んだりするごとに、意欲や好奇心を失い、自信をなくして自分で考えなくなって行く例を数多く見てきました。ここ数年で学習指導要領も、考える学習を重要視する方向に変わってきていますが、果たしてどこまで実現できるか甚だ疑問です。私は、学校教育をもっと根本から変えなければ、日本の未来はないとさえ思っています。

 さらに子どもたちの学力低下を促進しているのは、いわゆる「学習塾」の存在です。定期テスト対策で予想問題を与えたり、公式的なものを教えたりして、覚える勉強を中心に据えています。子どもや親も、手っ取り早く点が取れるそんな勉強を歓迎しているようです。楠塾は目先の点数には走りません。一生の力にな読解力、思考力、記述力を養成します。その点を保護者の方々にも心底理解していただけるよう、日々訴え続けています。

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小林良行
専門家

小林良行(塾講師)

思考道場 楠塾 

「教わったことしかできない」のでなく、自分で考える力を養い、応用して問題を解決していける子どもの指導育成に強み。

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