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覚えるのでなく、理解する。 自分で「論理的に考え、発信できる力」を養う学習塾。

子どもの「考える力」を引き出し育むプロ

小林良行

小林良行 こばやしよしゆき
小林良行 こばやしよしゆき

#chapter1

「小学校の成績を上げる」ことは目的としていません。

松代の「思考道場 楠塾」塾長の小林良行さんは、「言葉を鍛え、思考を磨く」をコンセプトに、これまで多くの生徒を指導してきました。

「特に小学生は、学校の成績を上げるということを目的としていないんです」と小林さんはきっぱり。オリジナルの教材を中心に使用し、「言葉にこだわる、国語力をつける」ことを重点に指導しています。勉強ができない・わからないという子は、そもそも「問題の意味を理解できない」から。どんな教科でも、基本は「国語力」にあるといいます。

一般に、小中学生の書く文章がひどいと嘆く小林さん。「高校の自己推薦の志願書を添削したりする機会があるのですが、句読点の打ち方から、質問されたことへの答え方まで、そもそも日本語がおかしい。それを何とかしたいと思うんです」

2007年に開校した「思考道場 楠塾」は、他塾にはない独自のカラーをさらに強めた学習塾。塾名である「楠」とは、江戸時代からある「学び方」の名称から来ています。小器用に身につけるけれど、大成しない「梅の木学問」に対し、時間はかかるけれど、土台のしっかりした大木になるというのが、「楠学問」だそう。まさに、小林さんが以前から指導の根本に置いていた概念でした。

楠塾では、すべての学習の土台となる「国語」を、小中学生ともに必修科目にして指導しています。

#chapter2

できるまであきらめない。 「自分で考える楽しさ」を知ってほしい。

数学でも理科でも、出された問題に対し「教わっていないからできない」という子がいます。解き方ばかりを教えられているため、既に学習が終わっている単元であっても、問題の切り口が変わってしまうとわからなくなってしまう。「正解を求めてすぐ人に頼るのでなく、あきらめずに自分で考えることが大事」。小林さんはどんな問題でもすぐにヒントを出したりせず、できるだけ生徒自身に考えさせます。

筑波大学を卒業後、公文式の本部で数年にわたり教材の制作を手掛けていただけあって、小林さんのオリジナル問題集の内容はユニークです。たとえば、「めくる」と「はがす」の違いを説明しなさいとか、「涼しい」と「寒い」の違いについてあなたの考えを書きなさい―。また、まったく知らない人に「じゃんけん」を説明しなさい、あなたの家までの道順を電話で説明しなさい―といった、大人でもドキドキするような問題ばかり。
「社会に出ても、説明する力、伝える力は重要です。教えてもらってできるのでなく、自分で筋道を立てて考える楽しさを知ってほしいです」

教室内には、生徒の名前が書かれた人数分のファイルがあります。毎日塾が終わったら、一人ひとりが自分のファイルに一日の感想を書き込んで帰ります。今日はどこにつまづいたとか、最近学校の勉強がどうだとかー。小林さんは毎日それを読み、各生徒の習熟度合いを確認し、きめ細かくコミュニケーションをとりながら、次の指導につなげています。

小林良行 こばやしよしゆき

#chapter3

思考の習慣づけは、小学生のうちが重要。

「子どもは遊びが大事だから、小学生のうちから勉強する必要はない」という大人がいますが、中学生になって慌てて勉強を始めて遅れを取り戻そうとしても、身につけるのが難しいケースが多いそうです。学習に対する姿勢や、思考の習慣が正しくついていないからです。

間違うのを恐れる子どもも多いとか。「自分で考えて出した結果なら、答えは間違ってもいい。そこで何が違っていたのか見直し、試行錯誤することが大事です。成長とともに頭が固まってしまう前に、できるだけ小学3年生くらいから入塾してほしい」と小林さんは希望しています。

現在楠塾が教室を構えているスペースは、以前は書店だったため、壁にはまだ当時の本棚が据え付けられています。今後は入り口付近をリフォームし図書館のようにして本を集め、子どもだけでなく誰もが気軽に本や活字に触れられるような、まちの拠点にしたいと考えています。
また、現在PCを駆使して手づくりしているオリジナル教材を、今後は体系化して市販できるレベルにしたい、との展望もしています。

今も松代藩の文武学校が残り、幕末の先覚者・佐久間象山を生んだ松代。この地、この塾から、次代を担う若者が多く輩出され「松代に楠塾あり」と名をとどろかせる日が期待されます。

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小林良行

子どもの「考える力」を引き出し育むプロ

小林良行プロ

塾講師

思考道場 楠塾 

「教わったことしかできない」のでなく、自分で考える力を養い、応用して問題を解決していける子どもの指導育成に強み。

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