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小島岳史

人工関節手術支援ロボットを導入した整形外科手術のプロ

小島岳史(こじまたけし) / 整形外科専門医

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コラム

病院内のボーンバンク(骨銀行)についてのお話

2022年6月8日 公開 / 2022年6月10日更新

コラムカテゴリ:医療・病院


1、人工関節で切除して余った骨の行方は?

人工関節置換術は傷んでしまった骨を切って、人工関節に置換するという手術なので、切除して余った骨は通常ではそのまま医療廃棄物として処理されてしまいます。

2、人工関節入れ替えの際の最大の問題点は?

前回のコラムでも書きましたが人工関節の入れ替えが必要になってしまう確率はだいたい術後20年で10%です。残念ながら入れ替えが必要になってしまった場合に問題となるのが、必要な場所に土台となる骨が無くなってしまっていることが多いことです。足りない骨部分があれば通常は人工骨や自分の骨盤の骨(自家骨)、同種骨(他人の骨)を移植するといった方法が一般的です。

3、人工関節手術を受けた患者様の骨移植についての意識

人工関節を受けた患者様やその家族に対し、骨移植についてのアンケート調査を当院にて行なったことがあります。自分が骨移植される際に、同種骨(他人の骨)と人工骨のどちらを選択するか、人工関節手術をなされた場合、手術時の自分の骨の保存を希望されるかどうかの2点について質問いたしました。回答の得られた300人のうち、80%以上の方が同種骨移植より人工骨移植を希望されていました。同種骨(他人の骨)を選択しない理由としては、感染、他人の骨はイヤ、違和感がある、宗教的な問題、病気がうつる、気持ちが悪いなどの理由があげられました。自家骨保存の希望については、男性は80%以上、女性も75%の方が希望されていました。

4、整形外科医は骨移植についてどう思っているのか?

宮崎県内の整形外科医22名に同様の質問を行なったことがあります。同種骨移植を選択した医師は18%で、82%が人工骨使用を希望していました。同種骨に対しては、感染の心配、抵抗がある、抗原性の問題、未知の病気が心配などを理由に選択されませんでした。しかし、自家骨保存を希望する医師は86%でした。もし手術中に使用しなければならない場面があれば同種骨よりも自家骨を使いたいという整形外科医がほとんどでした。

5、骨保存の実際

当院では平成14年から保存を開始し現在21年目を迎えます。冷凍保存の方法は、日本整形外科学会の移植に関するガイドライン、およびボーンバンクマニュアルに従い、骨の処置は感染対策を充分に考慮した方法で行なっております。まず、軟部組織を除去し超音波洗浄にかけ、骨移植用加温システムで処置します。このシステムは、骨の中心部まで確実に加温し滅菌処理するものです。また、この操作は無菌操作用バイオクリーンベンチ(class 100)内で全て行うことで、空気中の浮遊細菌による汚染を回避します。3重包装を行、-85℃の超低温フリーザーに収納します。この温度で保存することで、微氷結晶を生成し、氷結晶の成長を抑制すること、また酵素活性の抑制、免疫原性の抑制がなされるとされています。

6、当院の保存骨数と使用数

2022年6月9日の時点で保存骨数は2529、実際に手術で使用した数は47例でした。宮崎大学病院からも保存骨依頼があり2例使用しました。今後も骨銀行として地域の医療を支えていけるように頑張っていきます。

超音波洗浄            超音波洗浄器で骨を洗浄

クリーンルーム          バイオクリーンベンチ内で保存作業

冷凍庫          -85°超低温フリーザー

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