錆御納戸色(さびおなんどいろ)
紫苑色(しおんいろ)
おはようモーニング!
今日の日本の伝統色は「紫苑色」です。
紫苑色(しおんいろ)とは、紫苑の花の色のような少し青みのある薄い紫色のことです。
紫苑はキク科シオン属の多年草で、古名を「のし」といい、平安時代には「しおに」とも呼ばれていました。
秋には薄紫色の美しい花を咲かせることから、古くからとても愛されており、紫苑色の色名はその可憐な花の色からきています。
紫苑色は、紫根で染めて椿の灰汁で媒染した物。
特に紫を賛美した平安期に愛好され、秋に着用されていました。
『源氏物語』などの王朝文学にも「紫苑の織物」「紫苑の袿(うちぎ)」「紫苑の指貫」などとたびたび登場します。
重(かさね)の色目(いろめ)としても秋を表わし、「表・薄色、裏・青」、「表・紫、裏・蘇芳」などの組み合わせがありました。
七十二候では11月22日〜26日頃を「虹蔵不見(にじかくれてみえず)」といいます。
七十二候が小雪の初候に変わり、虹を見かけなくなる頃となりました。
今回の候は、清明の末侯「虹始見(にじはじめてあらわる)」と対になった候です。
通常、虹は空気中の水滴に太陽の光があたって反射してできるものなので、陽の光が弱まり空気が乾燥するこの時季は、虹が現われる条件が少なくなります。
ですが、季語に「冬の虹」があるように、雨上がりの空に思いがけず虹を見ることがあります。
冬は太陽からの光が弱いので、夏のようなくっきりとした虹ではなく、ぼんやりとした淡い虹になることが多く、また、たとえ見ることが出来ても、じきに消えてしまいます。
夏の虹に比べ、どこかひっそりと物寂しい趣があります。
二十四節気では11月22日〜12月6日頃を「小雪(しょうせつ)」といいます。
それでは続きをどうぞ!