照柿色(てりがきいろ)
おはようモーニング!
今日の日本の伝統色は呂色です。
呂色とは、黒漆の濡れたような深く美しい黒色のことです。
漆工芸の塗りの技法のひとつである呂色塗からきた色名で、蝋色とも書きます。
呂色塗は京漆の代表で、中でも本堅地呂色塗は大変な工程と高い技術を必要とし、また表面を平滑に磨き上げる非常に技術の高い塗りだからこそ専門職の呂色師が存在するほどです。
生漆に油類を加えないで精製したものを塗ることで、色は黒色に近い深い光沢をもつ色になります。
上塗りの後に艶を出すため水研ぎしながら磨き上げます。
磨き上げには呂色炭を使います。
駿河炭などのやわらかい炭です。
炭で水をつけながら丁寧に研いでいくことで艶の出方が違います。
その後に、布に油と、との粉をつけて磨く→との粉を脱脂綿につけて磨く→生漆をつけて拭く→油を脱脂綿につけて磨く→布で磨く→手のひらでチタンの粉をつけて磨く。
磨くだけでもこんなにたくさんの工程を踏んで仕上げます。
因みに塗料の黒色は、カーボン(炭)の色です。
話は変わりますが、今頃の季節。冬が訪れる立冬の末候は、金盞香(きんせんかさく)といいます。
金盞とは、黄金の杯のことで水仙の異名です。
雪の残る野山の斜面などに、白や黄色などの可憐な花を咲かせることから「雪中花」という別名もあります。
水仙の咲く様を金盞銀台というように、華やかな感じを受けますが、冬の寒さの中、背筋を真っ直ぐに伸びて、咲く姿は楚々とした美しさがあります。
また、学名の「ナルキッソス」は、ギリシャ神話からの命名です。
泉に映った自分の姿に恋焦がれ、見続けていたら1本の花になってしまったという少年の名前から名付けられました。
その花が水仙であり、ナルシストの語源です。
それから、水仙の球根には、アルカロイドのナルシチンが含まれていて、それが麻酔状態を引き起こすといいます。
それでは今日も張り切って行きましょう♪♫♬