香染色(こうぞめいろ)
今日の日本の伝統色は、生壁色です。
生壁色とは、塗りたての乾いていない土壁のような灰色みの黄褐色のことです。
土壁は日本で古くから利用されてきた壁のひとつです。
起源は正確に分かっていないようですが、江戸時代にはお城や蔵、一般住居まで広く使われていました。
今でも、古い町並みを残す地域では土壁がよく見られます。
土壁は木造建築よりも火事が広がりにくい耐火性があります。
さらに、壁としての強度もあり生産が容易であったことから、火事が多かった江戸の町では広く使用されていたと言われています。
また、土壁はその質感や風合いも評価されています。土壁は茶室の壁としても有名で、かの千利休は土壁が持つ独特の風合いや情緒深い佇まいを好んで、積極的に取り入れていました。
話は生壁色に戻りますが、江戸時代に愛好されるようになった「四十八茶百鼠」鼠系統の一つでもあります。
また、三菱鉛筆が発売した240色の色鉛筆にはこの生壁色が含まれていました。
その他に、苔(こけ)色など日本の伝統色も33色採用されています。
2009年10月1日に限定5000セット(52,500円)で販売されていますが、残念ながら現在は販売されていません。