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高齢者の自由な時間と笑顔あふれる生活を電動モビリティでアシスト

人と暮らしに優しく自然と共生する電動モビリティのプロ

山口和浩

山口さん正面
山口和浩 やまぐちかずひろ

#chapter1

本人と家族の希望や生活状況に合わせた福祉用具をアドバイス

 歩行に難しさを感じる高齢者や体の不自由な人の移動を助ける電動モビリティ。イスに腰かけたままハンドルで操作し、三輪または四輪のタイヤで歩道を通行できる前カゴ付きの電動カートや、電動モーター付きの車イスなどが一般的です。
 
 宮崎市田野町にある「リードマスター」では、介護に必要な福祉用具のレンタル・販売から、メンテナンス、修理までをトータルで行っています。
 
 「日常生活でサポートが必要な人が自宅で快適に過ごしたり、介護する人の負担を軽減するための福祉用具を用意しています。ご本人とご家族の希望や状況に合わせた福祉用具をアドバイスします」と話すのは、代表の山口和浩さん。
 「特に電動カート・電動車イスの取り扱いに力を入れており、品ぞろえには自信があります」との言葉通り、事務所前のスペースには常時30台以上がズラリと並んでいます。
 新車・中古車の販売は年間50台以上、レンタルでも60台以上が稼働。宮崎県内の量販店から在庫や修理の問い合わせがくるほど、この分野では一目置かれる存在となっています。

 納品の際には山口さんが直接出向いて、使用者の運動能力や判断力の適正を観察しながら操作方法や交通法規などを手取り足取り説明しています。
 「ハンドルとアクセルバーだけで運転することができ、30分も練習すれば、大抵の人は乗りこなせます。ただケガや事故の原因になっては本末転倒。最低限のルールを守るための認知能力に不安が見られる場合には、残念ながらお渡しできないケースもあります」

#chapter2

高齢者や地域に暮らす人同士のつながり、とりまく自然すべてに注がれる温かいまなざし

 前職では、イベントの道具や大型遊具など、幅広くレンタル事業を展開する企業の福祉用具部門を担当していた山口さん。筋力の衰えとともに行動範囲が次第に狭くなる高齢者が、電動カート・電動車イスを利用し始めると以前のように活動的になり、明るい表情になっていく姿に驚かされたと言います。
 「利用者さんから聞こえてくるのは『あきらめていたお買い物にも、一人で行けた』『お友達の家に遊びに行って、久しぶりにおしゃべりができた』と、喜びの声ばかり。会うたび『もっと早く使えばよかった。ありがとう』と心からの笑顔を向けられ、私の方が感謝したくなりました」

 ところが、会社の組織改編で福祉道具部門が縮小されることに。お年寄りを元気にする仕事を自分の天職と実感していた山口さんは一念発起。独立し、電動モビリティに特化した事業を立ち上げます。

 「『人と自然にもっとやさしく』をポリシーに、多くのお年寄りが住み慣れた場所で末永く暮らすためにアシストしたい」と語る山口さんの温かいまなざしは、高齢者だけでなく地域の人同士の交流や、住民をとりまく環境にも注がれています。

 山口さんが参画する「宮崎サポーター倶楽部」では会長を務め、自然環境に関する学習会や道路清掃などに取り組むほか、ショッピングバッグや防災グッズとして応用できる風呂敷の活用法を教える講座「ムスの会」を開催。「筆もじアーティスト倶楽部」では事務局長を務め、地元のお祭りや老人福祉施設の催しで多くの人を楽しませています。

※画像※
宮崎県シンボルキャラクター「みやざき犬」
みやざき犬使用許可第20210079号

たくさんのカート

#chapter3

自由な時間と笑顔を取り戻す勇気ある一歩のために、背中を押して寄り添いたい

 「近年よく目にするのは、何十年も真面目に社会生活を営んできた人が、晩年になって車の運転中に大事故を起こしてしまうという悲惨なニュースです。手軽で危険の少ない電動カートに乗り換えていたら、ここまで深刻な事態にはならなかったかもしれないと、残念でなりません」とため息まじりに話す山口さん。

 電動カートや電動車イスは歩行者と同じ扱い。車両扱いの自転車とは異なり、原則歩道を走行しますが、時速約6㎞と、歩く速度とほぼ同じスピードで、利用者本人や周りにいる人にも配慮されています。歩道のない道では右側走行が基本。警察官でさえ、勘違いすることがあるようです。
 「『なんという名前の乗り物なのかさえ知らない』と言う人も多いのが現状で、情報が十分に行き届いていないのを痛感しています。介護保険制度の利用もお手伝いしていますが、電動カートはもっと早い段階から、身近で便利な移動手段として取り入れてもらいたいですね」
 
 宮崎県内の高齢者が運転免許証を自主返納した際の特典の一つとして、電動カート購入時の割引サービスの用意もあるようです。

 「どこに住んでいても、いくつになっても、自由で生き生きと毎日を過ごしたいという気持ちに変わりはないはずです。『高齢だから仕方ない』とあきらめる前に、自分らしく、豊かな毎日を送るチャレンジ精神は持ち続けてほしいと思います。電動モビリティで勇気ある一歩をスタートさせるために、背中を押せたらうれしいですね」

(取材年月:2021年11月)

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専門家プロフィール

山口和浩

人と暮らしに優しく自然と共生する電動モビリティのプロ

山口和浩プロ

福祉用具貸与事業

株式会社リードマスター

電動カート・電動車イスを中心に、福祉用具の利用方法をアドバイス。高齢者や体の不自由な人の暮らしに自信と笑顔を取り戻すため、道具の提供だけではなく、メンテナンスや修理、安全対策などトータルに対応。

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