塾長の考え(親の学習とは)⑪

「先生、受かりました」
報告してくれたのはⅠくん。
合格したのは宮崎大学工学部。
「よかったね」
今回、北斗塾からは、
国公立大は2人が推薦で合格。
宮崎大学工学部
宮崎県立看護大学
この2つである。
合格は喜ばしいことだが、
何か今年はおかしいと感じる。
塾長になって33年目の年だが、
「推薦ラッシュ」
の様相を呈している気がする。
誰でもかれでも「推薦入試」。
高校3年生のお子さんがいる方は、
全員そう感じているのではないだろうか。
まるで今年は「推薦元年」みたいだ。
「クラスの雰囲気が悪いから、
学校行きたくありません」
こう言ってきたのはSちゃん。
クラス内でSちゃん(医学部志望)と、
大阪大学志望の男の子の2人だけ。
その2人以外は全員推薦入試だという。
そのため、
授業のときの雰囲気が悪く、
勉強するという環境ではないという。
涙目で訴えてきたので深刻である。
また、
宮崎〇高校普通科の生徒の多くも、
推薦ラッシュ。
「誰でもかれでも推薦なの?」
そう思えるほど「推薦推薦推薦」だ。
その中にいるYちゃんに聞いてみると、
「うちの部活10人中10人推薦です」
つまり部活仲間(高3生)の皆が、
推薦入試を望み、
「ワンチャン受かるかも♪」
のノリで推薦入試に臨み、
連日、面接の練習と、
「小論文の課題やってこい!」
(ただし、指導は…ずさん)
このような状況が生じていた。
「で、10人中9人受かりました」
「…何じゃ、それ」
「で、受かった子たちは…」
「浮かれているの?」
「授業中にみんな動画見ています」
「動画?」
「Youtube(ユーチューブ)とか…」
「どうやって?」
「PCが各自の席にあるんですよ」
「ふ~ん、それで?」
「モニターの部分がこう立つから…」
「ふんふん」
「そこにスマホを立てて…」
「ふんふん」
「動画見放題なんです」
「先生が来たらどうするの?」
「『パタッ』と閉めて…」
「ふんふん」
「何も見ていませんよ~」
「ふんふん」
「そうやってごまかすんです」
「ふ~ん」
高3生の親御さんは、
今すぐわが子に確認した方がいい。
この話がわが子の学校で起きている、
「現実」かどうかを。
学力の低い生徒たちは、
目標を早々と見失って、
「推薦推薦!」
と教師に懇願し、
(またそう指導する塾講師もいる)
推薦入試を受ける権利を勝ち取り、
「ワンチャン、ワンチャン!!」
(「ワンチャンス」という意味)
と言いながら、
学力を上げることではなく、
「面接と小論文だけ」で合格をっ!
これが実態。



