情報大洪水の時代(その1)
新しく塾に入ってくる生徒。
その生徒が模試の成績を持ってくる。
それでわかることと言えば、
その生徒の学力の一端。
その模試に出題されていた問題に関して、
どの程度の習熟度だったか、
それがわかるだけ。
したがって、
その生徒の真の学力がわかるとか、
「今度の入試ではもうだめだろうね」
などと軽々しく判断できるものではない。
だが、
いくつかの模試の成績表があれば、
おおよその検討はつく。
その生徒の学力はどうなのか。
それから、
北斗塾独自の方法でその生徒の学力を、
必要な教科(科目)だけチェックする。
それで目安を立てる。
その生徒をどのように育てるのか。
時系列で成績が表記されている場合、
つまり、
学校の定期テストの成績表の場合、
最初から順番に目で数字を追う。
そうすると、
うっすらとその生徒の「歴史」が、
私の頭の中に浮かんでくる。
「辛かったろうな…」
もちろん、
成績が順調な生徒は、
塾には「入らない」ことが多い。
塾に来るということは、
成績不振になってから、
「しょうがなく」
来る場合がほとんどであり、
それ以外で来る場合は、
親子ともどもが、
意識が高い場合である。
当然子どもの成績もよく、
志望校もとても高い。
結果的に、
成績良好で入塾してくるため、
大多数の生徒とは違った、
ハイレベルな問題の指導ができる。
実力の伸びもまるで違う。
(本当に)速い。
ますます難関校(大学)に、
合格する可能性が高まる。
「先生、偏差値が65を超えました!」
「え、すごいね、良かったね」
「先生、1000点満点で879点でした!」
「お~、…やるね」
会話もこの程度で終了。
「富める者はますます富み栄え…」
という言葉を毎回思い出す。
こうやって、
未来の勝者はその可能性を、
日々日々上げていく。
確実に。
詳細を分析するのは、
私が個人的に別の時間帯で、
「研究室」にこもってする。
そこで今後の戦略を立てたり、
立て直したりする。
何も考えずに、
現状の勉強を進めるということは、
ほとんどない。
成績表が出れば必ず考える。
ところで、
成績がいい生徒は戦略のことだけを、
考えておけばいいが、
成績不振で入塾して来た生徒は、
心にダメージを負った状態である。
そこをケアしていく。
1つには「失敗とは何か」。
これを簡単に話してあげる。
失敗とは、
努力することを諦めて初めて、
「確定する」ということを。
(続く)