塾講師のやる気の源とは?(その4)
「先生、それでですね…」
「うん、何?」
「今回は英語で“4番”が登場しました!」
「ああ、そうか」
ここで少しだけ説明すると、
「(英語の)4番」とは、
近年の京大入試問題において、
出題される問題を工夫している箇所だ。
以前は、
英語においては大問の1番から3番まで。
これが定番だった。
具体的に言うと、
1番 長文読解(英文和訳)
2番 長文読解(英文和訳)
3番 英作文(和文英訳)
それが2016年度の入試に、
4番 英作文(会話文の応答文補充)
という形式で初めて出題され、
2017~18年も同様に出題。
2019年にはいったん消滅し、
(代わりに2番に“自由英作文”!)
2020年 「問い合わせ文の作成」
2021年 会話文が復活。
2022年 自由英作文に変更。
2023年 会話文が復活。
このように“4番”の問題は、
的を絞らせないように出題された。
各大手予備校でもそのために、
対策が複雑化した。
※難易度が高いため
それでいて昨年はと言うと、
2024年 (4番は)なし
以前の大問1から大問3までという、
2015年までずっと長年やっていた、
「(横綱相撲の)形式」に戻した。
傾向はずっと同じで、
一切変えなかった時代に、
昨年度はあっさりと逆戻り。
野球で例えると、
ピッチャーがいろんな変化球を投げず、
「毎回カーブだけ投げるからね」
というように球種を特定させておき、
一見、球種が絞られているため、
打者が楽に打てそうに感じるが、
実際にはまるで打てない…。
「こんなカーブ打てるか!」
と言いたくなるような、
大きく曲がる完成度の高いカーブ。
「カーブが来る!」
そうわかっていても打てない。
そういう感じの問題を出題し続けた、
あの時代に。
今年は…どうなるか?
模試を作成する業者も予備校も、
毎回“4番”だけ傾向が変わり、
その度に予想問題を兼ねている、
「オープン模試」や「実戦模試」といった、
出題形式そっくりさんの模試の作成には、
相当に苦労していると思われる。
生徒に直接指導する予備校講師も、
“4番”の攻略には苦戦しているだろう。
特に地方の塾講師はかなり大変だろう。
(というか、していないかも…)
(続く)