塾長の考え(親子関係)16
私は今、
10数年ぶりに小学生の指導に関わっている。
久しぶりに関わったことで、
以前はあたりまえに思っていたことで、
今ならば「えっ!?」と驚くべきことに、
あらためて気づくことができた。
それは何かというと、
小学生は意味を理解しなくても、
次から次へと暗記できるということだ。
私は今、50代の年齢である。
かつては、
「何でそんなに覚えているの!?」
「よく覚えているな~」
「記憶力いいね~」
などと言われることが多かった。
ところが今やどうかというと、
覚えたつもりになっていることを、
どんどん忘れるだけでなく、
知っていた人の名前すら、
「あれ、誰だっけ?」
となることが多くなった。
これが「老化」なのだろうか…。
そう思っていろいろ調べてみて、
勉強してみてわかったのだが、
この状態が正常だとわかった。
そして、
この状態を悪いことではなく、
活用することを意識していけば、
今まで以上に自分の長所を発揮できる、
そういうことができることがわかった。
なので今が実は私の全盛期である。
話を元に戻すと、
かつての私がやっていたように、
私の目の前の小学生たちは、
「意味が分からなくても」
驚くべきスピードで新出事項を暗記できる。
これこそが「THE 小学生」なのである。
自分が簡単にいろいろ暗記できることが、
あたりまえだったために、
(当時の塾生である)目の前の小学生たちが、
猛スピードで暗記できることを、
「あたりまえ」だと思っていたのだ。
19歳のときにアルバイト講師として、
当時雇われていた塾の教壇に立ち、
小中学生相手に集団授業をしていた私にとって、
現在にいたるまでの30年以上は、
間違いなく気がつかなかった事実である。
そして今は「次のこと」が理解できた。
それは…、
この事実によって起こせる奇跡と、
この事実がもたらしてしまう、
「毒(poison)」である。
(続く)