塾長の考え(親子関係)11
最近入塾してきた高校3年生の生徒たち。
いろんな学力の生徒たち。
いろんな性格の生徒たち。
それぞれに志望大学と志望学部がある。
彼ら彼女らには「やる気」がある。
そして、
彼ら彼女らをサポートする親がいる。
現時点では志望大学に合格できる学力は、
どの生徒も持ち合わせていない。
そう、現時点では。
原石も磨けばダイアモンドになる。
どうやって磨くのか?
磨き方がわからないから、
塾に入って来た。
自分の学力を伸ばしてくれると信じて、
入塾する。
生徒もその親も。
この状況がこちらからすれば…、
燃える状況だと言える。
いろんな学習塾が乱立していて、
広告宣伝の上手なところもあれば、
月謝の大幅なダンピング(割引)をしたり、
あるいは「無料」講習をしたり、
あの手この手で生徒募集をして、
「ウチに来れば大丈夫ですよ!」
「私の言う通りにやれば大丈夫ですよ!」
まだ教えたこともない生徒を前に、
まだ学力も性格もよくわからない生徒を前に、
自信満々に語って入塾をさせる塾長もいる。
わが子が成長して立派な大人になるまでの、
そうなるまでの過程には、
いろんな分岐点が存在する。
つまり、
いろんな選択肢がある。
選択肢を間違えるか間違えないか、
それが将来を9割決める、
その事実を認識できているかどうか。
中学生を高校入試で合格させることと、
高校生を大学入試で第1志望に合格させることは、
技術的に言わせてもらうと、
レベル的には「天と地ほどの差」がある。
難易度は比較にならないほど違う。
それが大学受験。
高校受験で実績を多数出せる学習塾も、
大学受験だと指導ノウハウがおかしい、
あるいは、
「幼稚なやり方」をしているところも、
多数ある。
多数だ。
高校受験で合格すれば、
3年後の大学受験に向けて、
誰でも同じスタートを切れるはずだと、
信じている親御さんたちが多いが、
実際はそういうことではない。
高校生になって学力が伸びていくかどうか、
それの大半は中学生のときの指導のされ方で、
ほとんど決まってしまっている。
ハッキリ言うが、
生徒を「点取りマシーン」に育てる、
それを目指している学習塾が多い。
この知っていそうで知らない事実を、
ほとんどの親御さんたちは知らない。
高校入試の合格実績数を誇る学習塾は、
そこで行われる授業の形式も考え方も、
実は、
生徒を「点取りマシーン」に仕上げていく、
そのためのカリキュラムに最適化されている。
この事実を親御さんたちは知らない。
したがって、
高校合格後に高校の授業内容および、
スピードについていけない、
そうなってしまう生徒が数多く誕生する。
その現実を親御さんたちは知らない。
点取りマシーンにわが子がなってしまっても、
「(高校に)合格したらいいんじゃないの?」
と思っている親御さんたちがほとんどだが、
それでは大学受験の頃には通用しない生徒に、
なってしまう。
そういう「教育」を中学時代にされてしまうのだが、
その真実を親御さんたちは知らない。
「知らない」のだから、
大学入試後に不合格という結果が出てから、
事の重大さに気づくことになるのだが、
時すでに遅し。
予備校でやり直すことになる。
そうなってしまった原因も理由も、
実はわが子が中学時代に、
「どのように(塾で)指導されてきたのか」
そこにほとんどある。