塾長の考え(親子関係)11
「で、俺はこれから何をすれば?」
Aくんが聞いてくる。
「どうすればいいと思う?」
考えさせる。あくまでも本人に。
「続きをすればいいっすよね?」
「何の?」
「今までの続きです」
「それは…」
こうやって討論していく。
討論していくことで思考力を鍛える。
本人にアイデアを出させる。
根拠を聞く。
何となくこうかな、では許可しない。
勉強にはすべて根拠が必要。
なぜするべきか。
何をすべきか。
どこからどこまですべきか。
どのようにするべきか。
いつからいつまですべきか。
成果を何で証明するのか。
決めた約束(計画)をできるのか。
この7つを押さえていく。
本人に提案させて私が認可する。
チェックは要所で私が直接行う。
未来とは何も決めずに生活していても、
自動的にやってくる。
必ず誰にでも未来は来るが、
行き当たりばったりの結果がそこにある。
それでいいのか?
ではどうするべきか?
それは自分が決めなければいけない、
自分の理想の未来を。
イメージしなければ実現しない、
自分の価値観にあった未来は。
最初に自分の価値観を確認しなければ、
目標だって決められない。
だから、
生徒と講師には「対話」が必要なのだ。
「親子関係」もいっしょだ。
対話によって相手を理解していく。
対話がなければ関係性がおかしくなっていく。
対話をどこでするか?
塾ならば私が決めた場所・時間にする。
自宅ならどうか?
確実にやったほうが習慣化できるのは、
食事の時だろう。
だから家族そろって食事をしない場合は、
すれ違いが起きてくる可能性が高くなる。
人間は他者との関係性の中で生きている。
親子の間で「対話」をすることを減らして、
塾に毎日自習しに行く。
それで成績が上がり入試に合格できれば、
すべては丸く収まり、
わが子の目の前には幸せな道が拓かれる。
そんなに単純ではない。
人が職場をやめたいと感じる最大の理由は、
「人間関係」だ。
給料の多い少ない、
残業が多い少ないではない。
人間関係をないがしろにしてもうまくいくと、
思い違いしたら不幸の始まりである。
塾に毎日行かなければ成績が上がらない。
そんなことはない。
やるべきことがわかっていれば、
だれでも自宅で勉強できる。
今日やるべきことがハッキリしていれば、
だれでも自宅で勉強できる。
やるべき理由がハッキリしていれば、
だれでも自宅で勉強できる。
「自分の部屋では集中できない」
集中できるようにレイアウトをすればよい。
「弟が邪魔をしてくるんです」
勉強をするから邪魔をしないでね、
と優しく繰り返し言えばよい。
「家族が隣の部屋でうるさいんです」
耳栓(みみせん)をすればよい。
高校生にもなればカウントダウン。
わが子はもう間もなく家を出て行く。
(大学に合格すればだが)
親子関係は人間関係の基礎。
塾での指導も生徒と講師の人間関係が、
良好であれば効果性が高い指導が可能。
(続く)