塾長の考え(親子関係)6
「授業の内容がわからなくて…どうしたら?」
先日、ある親御さんからの電話相談。
息子さんが某予備校に通っているらしいが…。
その予備校の講師の授業がわからなくて、
勉強が前に進んで行かないと言い出した、と。
さてどうしたらいいだろうか?
じつは毎年大勢の親御さんや生徒たちが、
重大な勘違いをして予備校に入学する。
勘違いとは何か?
予備校の授業とは専門的な受験対策用の授業。
高校生が学校で受けるような、
教科書レベルの授業とはまるでレベルが違う。
教科書レベルは自習室で自学せよ、
もしくは自宅で勝手に学習しておけ。
これが大多数の予備校の講師のスタンス。
予備校講師はもっとグレードの高い問題、
最低でも基礎レベルではなくて、
標準レベルから応用レベルの授業をする。
そのために日夜研究を重ねて、
芸人のようにネタを授業の内容に仕込み、
生徒受けしながら、
入試問題の「急所」を的確に解説する。
わかりやすく、おもしろく。
生徒の記憶に残るように。
だが、
そのようないい授業を受けても、
それを力に変えることができる生徒と、
何を言っているのかわからない生徒と、
大きく分ければ2種類出てくる。
元々、
学校の集団授業を受け続けてきても、
成果を上げることができなかった生徒は、
予備校に入学しても成果は同様に上げられない、
その事実を多くの人はわかっていない。
だが、
多くの生徒は予備校に入学する。
がんばれば1年後に合格できると信じて。
しかし、
がんばればできるようになるのは、
元々それなりの高学力を有していた生徒で、
自宅学習の習慣もある生徒だけ。
高校時代に成績不振だった生徒は、
高校時代と同じ仕組みである予備校に入っても、
また同じようなことを繰り返す。
正確に言うと、
高校時代よりはちょっとばかりマシになる。
ちょっとマシになったくらいでは、
第1志望大学にはまず合格できない。
勉強のやり方(取り組み方)が、
高校時代の延長線上にあるからだ。
そのままだと…また負ける。
どうしなければいけないのか?
根本から変えないといけないのだ。
だいたいにおいて変えなければいけないこととは、
1.自力学習を覚悟すること
2.基礎学力をつけるために基礎から学習すること
3.長時間の勉強を毎日すること
4.予備校の授業に頼らないこと
5.(自分に合った)教材を見つけること
6.自分と伴走してくれるコーチがいること
7.そのコーチがコンサルタントのレベルであること
8.自習時間を単に増やしても効果が上がらないことを
知っていること
この8つに集約される。
特に4番目と8番目には気を付けなければいけない。
予備校講師の「神授業」とやらを受けても、
それだけではできるようにならない。
自習時間を増やせばできるようになる→ならない。
この2点は何度も言うが、
多くの学習塾の塾長たちも思い違いをしている。
(続く)