塾長の考え(九大受験)12
「授業を受ける」ことよりも大切なこと。
これは全生徒に当てはまることではない。
ただし、
今(夏)の時点で基礎学力すら習得できていない。
そういった受験生(あるいは高1~2年生)は、
「授業を受けている」場合ではないのが実情。
①「塾から出される課題も頑張ります!」
②「学校から出される課題も頑張ります!」
③「学校の小テストの勉強も頑張ります!」
このうち、
①と②は受験勉強において有効であるが、
②の「学校の課題」はもう無用であることが多い。
まじめにがんばれば、
すべてをやり抜くことができれば、
「わたしは合格できる!!」
そう思い込んで毎日深夜まで勉強して、
朝は寝不足のまま根性を出して通学。
授業中はうつらうつらしながら、
必死で頭痛とたたかいながら頑張る。
体調がくずれてきても精神力で乗り切る。
なぜならば、
その努力の向こうには「合格」が待っているから…。
結論から言うが、
「(高い確率で)待っていない」。
もう1年間浪人して受験勉強をする、
そういう未来が待っている。
戦略なき学習は負ける可能性がきわめて高い。
小学生、中学生と年々戦略の重要性は増していき、
高校1年生以降は、
「学習時間を増やせば解決する!」
という次元とはまるで違う世界に突入する。
ただし、
何事においても、
①【基礎・基本ゾーン】→【標準ゾーン】、
②【標準ゾーン】→【応用ゾーン】、
③【応用ゾーン】→【発展ゾーン】、
このような「3段活用」が構造的にある。
これを前提に話すが、
①の【基礎・基本ゾーン】においては、
学習時間の多い・少ないが習得率に大きく影響する。
よって、
学習時間が多ければそれに比例して、
知識の習得量が増大するため学力は向上する。
【標準ゾーン】においては、
問題の解法という技術習得の第1段階に入るため、
生徒間においてその習得率において明確な差が出る。
だいたい自学をする生徒で、
センスのいい生徒というものは一定数いて、
この「標準ゾーン」を自力で突破する生徒は、
全国偏差値が60付近を取れる。
ほとんどの生徒はそうではないが。
ただし、
その「ほとんどの生徒」が塾で指導を受けていくと、
「ああ、なるほど…」
といって要領をつかんでいく。
それ相応の時間の経過が必要ではあるけれど、
全国偏差値60の壁までは行く。
ここに学習塾の価値の1つがあると言える。
と同時にここにこそ、
学習塾間での「差」が明確に生じている。
明確に生じてはいるのだが、
それを親御さんや生徒が見抜くことは困難。
ブラックボックスになっているから。
この部分での優秀さをほのめかすために、
「一流講師が指導をします、神授業です」
「医学部医学科生が指導します、わかりやすいですよ」
などといったことを宣伝するのが塾や予備校。
そこで勝負をかけているし、
それで勝負が決まると信じているからだ。
が、それは違う。
(続く)