塾長の考え(集団授業の落とし穴)①
Cくん(1浪)は日本史を連日学習中。
九州大学の2次試験には日本史はいらない。
だけれども、
共通テストは5教科必要。
だから日本史も必要。
だいたい国立大学を受験する生徒とは、
共通テストでは5教科必要。
昨年から通塾しているCくんも同じ。
昨年は、
「日本史は自分でできるよね?」
「あ、はい」
その会話だけでCくんを信じて、
塾では国語を中心に受験勉強をした。
とにかく国語が弱くて話にならないことが、
緊急の課題だったからだ。
週3回塾に来ていたが、
その半分以上は国語に投入。
半年以上国語にかなりの時間を突っ込んだ。
秋から冬にかけては、
英語、化学、物理、数学もしなければ、
「非常に困るよね、これは…」
という状態であり、
もはや国語だけをやっていればいいという、
そんな単純なことではなくなっていた。
これが大学受験の難しいところである。
夏が過ぎたころから、
中学3年生の女の子が週に1回だけ塾に来た。
北斗塾予備校の生徒HHくんの妹である。
「宮崎北高校…できればアルファに入りたい」
お母さんの娘に対する要望は北高校の普通科。
そして、
できれば成績上位者のクラス「アルファ」だ。
時は9月。
今まで塾に通っていない娘さんであっても、
週1回だけ塾に来るということでも、
望む先は…「上位クラス」である。
それでも、
もともと優秀な学力を有するその娘さんは、
念願通り志望する先へと結局合格した。
あっさりと。
受験までの半年間、
週1回通塾してふつうに合格。
これが宮崎の高校受験の現実。
そして、
そんな夢のようなことは起きないのが、
「大学受験」。
大学受験は全国の高校生以上が相手だから。
今現在、
高校1年生、2年生の生徒たちで、
高校3年になると、
「自分、目標は九州大学です!」
というふうに宣言する生徒は今までにも、
何人も私の目の前に現れた。
今年も現れたがその生徒はいまだ塾に入らず。
別の塾に通い続けている。
残念だがその塾では合格できない。
その理由はいくつもあるのだが、
ここでは述べない。
次回その生徒が私の目の前に現れるとしても、
浪人することが確定してからだろう。
そこまでいかないとわからないことがあるから。
大学受験は全国大会。
高校受験はご近所選抜宮崎大会。
「全国大会」である大学受験で、
九大受験は、
大相撲で言うところの大関クラス。
「高校受験」は半径5キロメートルにお住いの、
中学3年生の男の子たちが集まり、
「だれが一番強いか決めよう!」
「おお~っ、やってやるぜ!」
の中でバトルが行われ、
全体の100人中50人が1次予選を突破。
その50人中45人が正式に合格する。
高校受験(県立)とはそういうイメージ。
その45人の中から、
血反吐を吐く猛練習に耐えた生徒(力士)だけが、
幕内(1~3名:挑戦者)になり、
いつか大関(1人:合格者)になる…かも。
そういうレベル。
(続く)