塾長の考え(理想と現実)④
前回のおさらい。
わが子に一番影響を与える存在は?
①小学生までなら…母親。
②中学生なら…学校の先輩か友人。
③高校生なら…?
ここで②や③に関して、
「もう私(母親)ではムリかも…(涙)」
と自信喪失し、
「塾の先生に任せよう」
「自宅ではムリ、塾(の教室)に任せよう」
こう思ってしまって全面的に塾に頼ると決めた場合は、
もう博打(ばくち)と同じである。
そこの塾長の人間性(価値観)が、
わが子に波状攻撃をすることになる。
ここまでが前回の私からの提言だった。
私の過去34年間の塾講師の歴史の中で、
何回も生徒から聞かされてきたことの1つに、
学校の先生に対する愚痴(グチ)がある。
これは塾講師である自分に対して生徒が、
気を許しているから言っているわけだが、
ここで同調して学校の先生の悪口を言うと、
生徒はますます確信してしまう。
「学校の先生はおかしい」と。
もちろんこの場合の先生は特定の先生であり、
ほとんどの先生は悪いわけではない。
ところがこの特定の先生のみならず、
「学校の先生はレベルが低い」
とまで言い切って生徒を洗脳する塾講師が、
残念だが宮崎にもいる。
塾名は知っているがここでは言わない。
ともかく、
自分の周りがどんな状況でも、
やるべきことをやり抜き、
きちんとした成果を上げていく。
そういう人が教養を得て成長していく。
自分を取り巻く環境がどうであれ、
それをものともせず、
強い意志で突き進むことができるかどうか。
その闘いの連続が人生だ。
「親ガチャ」「先生ガチャ」だとか、
言ったところで意味がない。
その解釈が正しいかどうかもわからない。
それよりも、
今の自分よりも成長できるかどうかがすべて。
「親ガチャ」とか平気で言う子どもは、
親御さんたちの陰に隠れている必死の努力が、
見えていないし理解もできていないし、
やはり人間関係能力のレベルが低い、
そう言わざるを得ない。
もしかしたら、
そういう発言をする子どもは、
親子関係に関しては「悪い」を通り越して、
実際のところ破綻しているのかもしれない。
それでいて学力が高ければ、
やっかいな大人になる可能性も高い。
口が達者で文句ばかり。
愚痴、不平、不満、
妬(ねた)み、嫉(そね)み、恨み、
まわりの人に感謝することもせず、
素直に目上の人の言うことも聞かず、
うまくいけば「自分のおかげ」、
うまくいかなければ「他人のせい」、
こういう思考回路の大人になっていく。
そうならないようするためには?
要するに、
困ったことが起きたら原点に帰ればいい。
原点とは「基礎」である。
基礎とは「親子関係」に他ならない。
(続く)