塾長の考え(九大受験)10
HKちゃんはこのとき4浪目の受験生。
5度目の確認、3浪目の結果はこうだった。
3浪目の予備校は「集団授業」と「個別指導」の、
両方のコースが同時に受講できる状態だったが…
1.理解できる問題は増えても成績が上がらない
2.質問ができる環境だったが成績が上がらない
3.自習室に通い詰めても成績が上がらない
4.予習も復習もできたが成績が上がらない
「2」についての前回のおさらい。
そもそも生徒の学力が均一でない中で、
正確無比な個別指導をするには技量がいる。
本当に力のある講師に個別指導されたなら、
得るところ大である。
間違いをアウトプットする生徒の思考回路を、
組み替えて、
正解が出せる回路に変えてしまうからだ。
これはどういうことか?
よくある親御さんたちの不満のひとつに、
「大学生のアルバイト講師の指導が頼りなくて…」
というものがある。
個別指導の塾は今となってはたくさんあるが、
宮崎市に関して言えば、
初めて個別指導を開始した塾はどこか?
それをご存知だろうか?
その答えは「北斗塾」である。
北斗塾は平成5年3月に創立されたが、
平成7年から「個別指導」の塾になった。
このときに「個別指導」を標榜する塾はなかった。
今はたくさんあるが。
「問題解決」とは何か?
それを実現するには、
生徒が「質問があります」と言ってきた問題は、
①「具体例」
でありそれを講師の力量で、
②「抽象化」
する作業が必要とされる。
「抽象化」とは簡単にいうと、
「本質」の提示である。
その問題を作成した出題者の意図の明示である。
これを「明確化」といい、
講師の力量により生徒に見せてあげるものだ。
これが大学生のアルバイト講師だと、
上手にできないということ。
教えることに関して経験不足だからだ。
以前から言っているが、
「医学部生が講師をしています」
と宣伝する学習塾があるが、
医学部生は塾講師としては「新人」なので、
「本質」を突いた指導はほぼできない。
できるのは、
自分ならその問題をどう解くかの実演。
「それを理解できる??」
というスタイルの指導になる。
これで理解できる生徒も当然いるが、
基礎学力のない生徒が相手だと厳しい。
生徒の学力に応じて「変化」した教え方を、
瞬時に(頭の中の引き出しから)取り出して、
次々と披露しなければいけないからだ。
これは修練を積んだ塾講師にしかできない。
「問題解決」とは、
①生徒が持ってきた「具体例」を、
②講師の力量で「抽象化」して、
(本質の明確化)
③それを再度「具体化」することで、
生徒の頭の中の思考回路を、
「具体例」→「抽象化」→「具体化」
の回路に組みなおして、
「あ、わかった!」
と納得させることなのである。
この「問題解決」のプロセスを、
「知らない・わからない・実践できない」
そんな講師が質問対応をしたところで、
上手くいかないのは当然。
(続く)